アメリカの「Black Lives Matter」を受け、ゲーム業界でも大規模な抗議行動

ゲーム業界でも『BLM』への抗議広がる

 アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、白人のデレック・チョーヴィン警察官が、黒人ジョージ・フロイドさん(46)を不当に殺害したとして逮捕された事件を受けて、抗議活動が全米に拡大しているが、ゲーム業界も積極的にメッセージの発信や支援活動を行っている。

ソニーはPS5イベントを、EAは『Madden NFL 21』イベントを延期

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、6月4日に予定されていたPlayStation5(PS5)のイベントを延期することを発表した。PlayStation公式Twitterアカウントは6月1日、次のようにツイートしている。

「私たちは、世界中のゲーマーがPS5を目にするのを心待ちにしているのを理解する一方で、いまはお祝いごとをする時ではないと感じています。一歩下がって、より重要な声が聞かれるようにしたいと考えます」

 その前日には、同アカウントで「黒人コミュニティに対する組織的な人種差別や暴力に反対します。黒人クリエーター、プレイヤー、従業員、友人たちに配慮し、共感を持ち、共にある未来に向けて取り組みを続けます。#BlackLivesMatter」とツイートしている。

 一方、こちらも世界的なゲームメーカーであるElectronic Arts(EA)は、6月2日に予定していた『Madden NFL 21』のイベントについて、下記のメッセージを発信したうえで、延期を発表した。

「アメリカや世界に蔓延している、不平等な扱いや組織的な偏見に対して起こっている行動に、私たちは集中しています。フットボールについて話すのは、またの機会としましょう。これはゲームやスポーツより重大なことで、皆が一丸となり、変化を起こす必要があるからです」

業界団体も結束「ゲームには世界を改善する力がある」

 国際ゲーム開発者協会(IGDA)のRenee Gittins氏は「現在、抗議活動は世界中に広がっています。ゲーム開発者は、人々の感情と共感に訴えるアートを作っていますが、その才能は業界だけでなく、世界をより良くすることができると考えます」と語り、特別にパネルディスカッションを行う機会を設けた(参考:https://venturebeat.com/2020/06/01/game-companies-speak-out-against-racism-and-injustice-cancel-their-events/)。

 エンターテインメントソフトウェア協会(ESA)は「市民社会に、人種差別があってはなりません。信念のために言葉を発し、行動を起こす時です」という声明を発表している(参考:https://www.theesa.com/perspectives/video-game-industry-response-to-nationwide-protests/)。

 また、ESA会員団体のコメントも併せて紹介しており、Bandai Namcoも支援を表明している。Nintendo of Americaは、「ニンテンドーは黒人コミュニティーと共にあり、人に対する思いやり、公平性と正義の根本的な信念を尊重します。このようなあってはならない死につながる偏見、差別、圧力、暴力に反対します」とツイートしている。

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