アメリカの「Black Lives Matter」は『あつ森』にも波及 香港に続き“抗議の場”として機能する

アメリカ抗議運動が『あつ森』に波及

 アメリカで白人警官が黒人を殺害したのを発端に、人種差別への大規模な反対運動が展開しているのに伴い、任天堂のコミュニケーションゲーム『あつまれ どうぶつの森』(Animal Crossing: New Horizons)の界隈でも、論争や抗議行動が起こっている。

黒人差別反対運動を抑制したマーケットに抗議殺到

 『Polygon』は、cockspicuous氏が作成した、『あつまれ どうぶつの森』のアイテムを、ユーザー同士で売買およびトレードすることを目的としたコミュニティサイト「Nookazon」が、Discordで黒人差別反対運動「Black Lives Matter」への言及を禁じたことについて報道した(参考:https://www.polygon.com/2020/6/2/21277972/animal-crossing-new-horizons-black-lives-matter-acnh-nintendo-switch-politics)。

 「すべての警官はろくでなし」を意味するキーワード「ACAB」 (All Cops Are Bastards) が削除されると、良心を持つメンバーが次々とサイトから離脱。Nookazon側は被害対策として、「この政治情勢で、意見を沈黙させ共謀する意図は、ありませんでした。当チームは、現下の大きな出来事への対応の準備が整っていませんでした」と、Black Lives Matterを支援することを明確にする公式声明を発表した。

 さらにNookazonは、謝罪の意味を込め、現状について議論を行うDiscordチャンネルを設置。スタッフが500ドル(約5万円)をBlack Lives Matterに寄付した。

 しかし、それでも一部のファンは気が収まらず、最初からBlack Lives Matter支援の立場をとるNook.Marketといった、他のサイトに移るように促しているという。

 他方、50万人以上メンバーがいる『あつまれ どうぶつの森』のFacebookグループでも、Black Lives Matter支援の投稿が見受けられている。

「ゲームに政治を持ち込むべきか」という議論も

 ファンの中には「ゲームに政治を持ち込むべきではない」と主張する者もあるが、プラットフォーム側がしっかりとメッセージを表明しているケースが多くみられる。

 それは『あつまれ どうぶつの森』の場合も例外でなく、開発元である任天堂の米国法人Nintendo of Americaは次の通りツイートしている。

「ニンテンドーは、ジョージ・フロイドさんの死を受け、アメリカが感じている痛みを共有し、黒人コミュニティーと共にあり、人に対する思いやり、公平性に対する根本的な信念、正義を尊重します。この様なあってはならない死につながる偏見、差別、圧力、暴力に反対します。弊社事業のあらゆる面で、平等、インクルージョン、ダイバーシティを推進していきます」

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