PS5は“最低価格”ではなく“最適価格”になる? 対応タイトルもUS版Amazonに登場

PS5は“最低価格”ではなく“最適価格”に?

 今年のゲーム業界における最注目イベントのひとつであるPS5最新情報発表会は、既報の通り、「もっと重要な声が聞こえるように」という理由で延期された。この延期の直前、PS5に関する最高責任者が踏み込んだ発言をした。また、US版Amazonでは早くもPS5対応タイトルが登場した。

グラフィックが良くなると高くなる?

 国内ゲームメディア『gamesindustry.biz japan edition』は1日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのJim Ryan社長兼CEOにPS5関連事業の動向についてインタビューした記事を公開した。

 インタビューでは、まずコロナ禍の影響について尋ねた。すると同CEOは「最近の歴史を見ると,ゲームは娯楽の1つであり,経済的に困難な時代に利益をもたらすビジネスの1つであることが分かります」と答え、コロナ禍にあってもゲーム業界はむしろ堅調であることを強調した。その一方で、今回のパンデミックに対して「過去に適用されてきた歴史的なテンプレートや歴史的なモデルが,将来的には使えない可能性があります」とも述べ、その影響が計りがたいことも認めている。

 続けて同CEOは、コロナ禍における最善策として「我々ができる限りの最高の価値提案を提供することだと思います。必ずしも最低価格という意味ではありません。価値とは多くのものが組み合わさったものです」と発言した。この発言は、PS5は最低価格ではなく最適な価格で提供する、つまりは決して安価ではないことを示唆している。

 PS5の価格に関しては、「技術によってグラフィックス面がより面白く,よりリアルなものになるほど,ゲームを制作するための人的集約的で資本集約的なものになる」とも同CEOは述べて、グラフィック性能の向上は価格上昇につながることを明言した。

 PS5の価格については、ゲームメディア『GameSpot』は3日付の記事において、450ドルから500ドル(約49,000から約54,000円)のあいだではないか、と予想している。PS4が399ドル(日本では39,980円で販売)で販売されたことに比べて、PS5が割高になるのは避けられない、と見ているのだ。

延期は正しかった

 前述したように、6月5日に予定されていたPS5最新情報発表会は延期された。延期理由としてPS公式ツイッターで述べられた「もっと重要な声が聞こえるように」とは、実質的にはアメリカ・ミネアポリスで起こった黒人男性のジョージ・フロイドさん暴行死亡事件のことを意味している。この延期については、海外メディアは好意的に報じている。以下に、そうした報道の一部を引用する。

・「PS5のファンは、待ち焦がれていた公開イベントをさらに待つ必要があることについて不満を言うのではなく、会社の動きをサポートする必要がある」(テック系メディア『Notebookcheck』

・「PS5のファンはソニーの決定に悲しんだり、失望したりする権利を持っている。しかし、苦労して稼いだお金を支払うつもりの会社が実際に社会的認識と一種の集団的良心を持っていることに満足すべきなのだ」(同上)

・「冷静な見方をすれば、抗議行動が薄れ始めると、プレイヤーはPS5に集中しやすくなり、ソニーはより簡単に言葉を広めることができる」(ゲームメディア『Game Revolution』

・「ゲームは苦しい時に素晴らしい気晴らしとなるが、世界の困難から気を逸らすべきではない時もある」(同上)

なお、PS5発表会の新しい日程については、ゲームメディア『GAME RANT』が3日、英語圏の掲示板サイト4chanに6月12日というリーク情報が流れたことを報じている。もっとも、このリーク情報の信憑性はあまり高くはないと見られている。

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