『LoL』、驚き生んだ8つの新企画はBlizzardへの宣戦布告? 海外メディアが報じた「最大の賭け」
LoL世界観からの逸脱は最大の賭け、LoLアニメはもっと危険
『Forbes』には「『リーグ・オブ・レジェンド』の後はどうなる?ライアットが10年ぶりの新作ゲームで大きな賭け」という見出しで報じた(参考:https://www.forbes.com/sites/mattperez/2019/10/15/is-there-life-after-league-of-legends-riot-bets-big-on-its-first-new-game-in-10-years/#27e8a1162edc)。
共同設立者であるマーク・メリルとブランドン・ベックが2009年10月にゲームをローンチした時には想像できなかった成功を収めている。世界大会では、約1億人がストリーミングした。
今まで200億米ドルの収益を生み出し、2011年に中国のインターネット大手Tencentに売却した際、事業は3億6,600万米ドルの評価額だった。NielsenのSuperDataによると、2018年の収益は17億米ドルで、ビデオゲームとしては高額だが、2016年の29億米ドルとはかけ離れている。
市場シェアは、他の無料ゲーム、特にスマートフォンからPlayStationに至るまで何でもプレイできる『Fortnite』(フォートナイト)によって奪われており、PCでしかプレイ出来ない『リーグ・オブ・レジェンド』は、そのシェアを落としているというわけだ。
ウェドブッシュ・セキュリティーズ社のゲームアナリスト、マイケル・パクター氏は、このゲームは非常に人気があるが「間違いなく停滞している」と語る。
今回、『Wild Rift』(ワイルド・リフト)と呼ばれるリーグ・オブ・レジェンドのモバイル版と『Teamfight Tactics』(チームファイト・タクティックス)という最新のゲームモードのバージョンを発表したことで、世界中ではるかに多くのオーディエンスがプレイ可能になるが、とはいえこの対応への遅れは、新しいプレイヤーを引き付けるのに苦労するかもしれない。
だからこそ、「Project A」という賭けに出たのだろうが、LoLテレビアニメシリーズの複数シーズン制作はさらに危険といえるだろう。ゲームキャラクターの映画やテレビ番組の成功確率を考えると、場合によっては大きな打撃を被ることになる。
良くも悪くも、一発目のゲームが大当たりし、その勢いでここまで来たといえるRiot Games。多角的にプロジェクトを推進していく今後は、より会社としての真価が問われるところだ。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。