ストリーミング売上がついにダウンロード超え 転換期を迎えた音楽配信事情を解説
さらに同氏は、ダウンロードの需要についてこのように述べた。
「日本で未だにダウンロードの売上が高い理由としては、“ダウンロード自体の人気”というよりも“特定のジャンルの人気”が考えられます。すべての作品にいえることではありませんが、ストリーミングを解禁していないアニソンやアイドルなどの影響が強いように思います。
しかし、昨今ダウンロードの売上は著しく減少しています。2019年にはストリーミングとダウンロードの売上高の差はさらに広がっていくことでしょう。現在の日本は、音楽をストリーミングで聴くことが当たり前になりつつあり、大きな転換期に入っています。まだストリーミングを解禁していないトップアーティストたちが、ストリーミングを始めれば、さらなる盛り上がりが期待できそうですね。
あとは、“好きなアーティストのCDを購入すること”と同様に、“ストリーミングで何回も音源を聴く”という行動がアーティスト支援のひとつとしてコアファンの間で認識されていくと、さらにストリーミング利用者が増えていくかもしれません」
ストリーミングの需要は高まっているものの、解禁していないアーティストが多い状況は未だ続いている。今後ストリーミング配信をしていくアーティストが増えていくことで、さらなる普及が期待できるが、そのためには上記のようなアーティストに負荷がかからない環境作りも必要になっていくことだろう。
(取材・文=北村奈都樹)