テレビではありえないシュールすぎるネタが持ち味。天竺鼠・川原のYouTubeチャンネルが熱い!
キングコング梶原やゴージャスなど、YouTubeで積極的な動画投稿を行うお笑い芸人は少なくないが、その中でも一際個性を発揮している芸人がいる。
その男、天竺鼠・川原。2年前から【天竺鼠 川原 究極シリーズ】 と銘打ってスタートした川原のネタ動画はテレビで披露されるネタと比較しても遜色ないクオリテイだ。いや、むしろテレビではできないようなネタだからこそYouTubeにアップしているのかもしれない。
この記事では鬼才・川原の動画の魅力をお伝えするべく、川原チャンネルの動画をピックアップして紹介する。
不条理に満ちたシュールな笑い
YouTubeに限らずコンビ芸人天竺鼠の持ち味は、ほとんど意味不明に近いシュールな笑いにある。そんな天竺鼠のスタイルを代表するネタが「ショートコント」。
独特な後味の残るシュールなネタで、天竺鼠というコンビが普通のお笑い芸人とはどこかが決定的にズレていると思わせてくれる(相方の瀬下がほとんどツッコミを行わず不安そうな顔をしているだけなのも異様だ)。
そして川原がYouTubeに投稿している【天竺鼠 川原 究極シリーズ】 は、天竺鼠らしい不条理でシュールな笑いに満ちた動画シリーズなのだ。
M-1決勝でのジャルジャルのネタ「国名わけっこ」も川原にかかれば……
2018年のM-1グランプリの決勝でジャルジャルが披露した「国名わけっこ」というネタがあるが、川原は自らのチャンネルにゲストとしてジャルジャルの後藤を呼び、2人で「国名わけっこ」をする動画を公開している。
本家ジャルジャルの「国名わけっこ」は、国名を適当に区切り、2人で順番に言っていくゲームだ。たとえば、福徳が「イン」と発声した場合、後藤は「ドネシア」と言い、“インドネシア”という国名を完成させなければならない。
ジャルジャルの「国名わけっこ」は、リズムネタにも近い2人の軽快なやりとりが魅力のネタなのだが、その「国名わけっこ」も川原の手にかかればたちまちシュールギャグと化してしまう。
ゲーム開始後、ひたすら「イン」を連呼する川原。すると後手の後藤は「ドネシア」と言い続けるしかないため、川原と後藤はひたすら交互に「イン」「ドネシア」、「イン」「ドネシア」、「イン」「ドネシア」……と無限ループのように同じ言葉を繰り返す。
これだけでもかなり異様な状態なのだが、4分程度このやりとりを続けていると川原が突然口をつぐんで動かなくなる。そして、川原の「イン」の声が無くなるかと思いきや、なぜか口をつぐんでいるはずの川原の声で「イン」という声が聞こえてくる(おそらく編集で音声を足している)。
最終的に川原も後藤もただ真顔で突っ立っているだけで、後付け音声の「イン」「ドネシア」「イン」「ドネシア」が流れ続けるだけの動画に……。
「ショートコント」にも言える天竺鼠のお笑いの特徴だが、とにかく川原は繰り返しを好む。ゲシュタルト崩壊を起こしてしまいそうなほどのリピートの先に待っている笑いは、他の誰にも真似できない。