ビートに合わせて視覚効果が変化? ローランドによる動画加工アプリ『Beat Sync Maker』レポ

『Beat Sync Maker』レポ

 TwitterなどのSNSに投稿するだけなら無料版で充分であるように感じるかもしれないが、おそらく30秒までの動画ではすぐに満足できなくなりそうな気がした。一言でいえば、ハマるアプリである。これまで本格的な動画編集ソフトでないとできなかったエフェクト、例えばスペクトラムアナライザの表示などが、本当に一瞬で完結してしまう。すでに『GO:MIXER PRO』や『GO:MIXER』を持っている人なら必須ともいえるアプリだ。

エフェクト「Edges」操作イメージ

 もちろん、コアなミュージックビデオ作成者だけでなく、これから音楽動画をつくってみたいと思っているような初心者にもおすすめできるアプリである。専門的な言葉は出てこないし、特別なスキルも不必要だ。エフェクトの数が増えたり、変拍子やビートの弱い音楽などに対応すれば、さらに素敵なアプリになっていくだろう。

 『Beat Sync Maker』のリリースを記念して、ローランドが配信中のカメラアプリ『4XCAMERA』と『Virtual Stage Camera』(いずれもアプリは無料)のアップグレード料金ディスカウントを期間限定で実施している。『4XCAMERA』は、画面を最大4つに分割したミュージックビデオを簡単に作成することができる。『Virtual Stage Camera』は、お気に入りの動画や画像を自分の背景に合成して録画することができる。どちらも、『Beat Sync Maker』の強力な助っ人となるアプリだ。

エフェクト「Wave Form」操作イメージ

 『Beat Sync Maker』は、ダンスミュージックなどの楽曲制作者やDJ、バンドのミュージックビデオ制作担当者、いわゆる「踊ってみた」「歌ってみた」をつくっている人など、さまざまな用途が考えられるだろう。

 これまで、音楽のテンポに同期した映像を作成するには専用のソフトやハードが必要であった。プロのミュージックビデオでは、複数のカメラで撮影した映像を切り替えたり、専用のソフトで編集したりして、インパクトのある動画を制作している。だが、アマチュアにとっては費用などの理由で、プロと同じものを使用するにはいろいろと難しい面があった。

 この数年、スマートフォンやタブレット端末など、さまざまなデバイスの性能向上には目覚ましいものがある。そんなデバイスに合わせて、いくつもの高品質なアプリが登場してきた。「Beat Sync Maker」も、そんなアプリのひとつである。今回リリースされた「Beat Sync Maker」を使えば、スマートフォン1台だけでプロっぽい音楽動画を作成することができる。つまり、アイデアとセンスさえあればアマチュアでもプロ並みに近づけるというわけだ。「Beat Sync Maker」は、プロとアマチュアの壁がますます薄くなってきていることを実感できるアプリだといえるだろう。

■吉川敦
フリーライター。音楽と言葉が大好物。憧れの人物はアインシュタインとエルキュール・ポアロとアンディ・ウォーホル。

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