『ポケモンGO』は“優秀なヘルスケアアプリ”と“面白いゲーム”を両立できるか? 新機能「いつでも冒険モード」から考える

 Nianticは、「リアル・ワールド・プラットフォーム」の新機能として「いつでも冒険モード」をリリース。スマートフォン向けアプリ『Pokémon GO』で初めて実装することを発表した。

 「いつでも冒険モード」は、スマートフォンをポケットにいれたままで、歩数などをゲーム内に記録できる機能。現在はトレーナーレベル35以上のプレイヤーのみが使用可能だ。Nianticによると、『Pokémon GO』のトレーナー(プレイヤー)は2017年に比べて、2018年に入ってから53%も長い距離を歩いており、全世界2000人を対象にした調査によると、70%が『Pokémon GO』が普段から歩くモチベーションとなっていると感じており、64%がゲームがより多く外に出るきっかけになったと回答。47%がゲームを通して身体的な活動レベルが上昇したと感じており、同じくらいの割合で「『Pokémon GO』が他の人々とつながるきっかけになった」と回答していることから、今回のような機能に投資し、人々を外に連れ出し、よりアクティブな生活を送れるきっかけを作ろうということらしい。

 「いつでも冒険モード」は実際にどんなものかというと、「アプリを起動していなくても、朝の通勤、散歩、ランチ時の外出、夜のジョギングなどで移動した距離を『Pokémon GO』に反映させることができ、その距離に応じて相棒のポケモンから「アメ」を受け取ったり、「タマゴ」をかえすこともできるようになるほか、週ごとに歩いた距離で報酬が受け取れるようになるという。さらに、iOS向けHealthKit、およびAndroid向けGoogle Fitとバックグラウンドで同期しており、スマートフォンの機種が対応していれれば、週ごとの歩いた距離や消費したカロリー、歩数を『Pokémon GO』内でも確認が可能になる。

 この発表通りに受け取ると、『ポケモンGO』をプレイすることは健康面でプラスになる、つまりヘルスケアアプリとして優秀であるということだが、実際のところはどうなのだろうか。アメリカ国立生物工学情報センター(NCBI)のPMCにアーカイブされている論文で、2017年に発表された『Influence of Pokémon Go on physical activity levels of university players: a cross-sectional study』では、ゲームを始めて1週間目のプレーヤーでは、1日あたりの平均歩数は955歩増加し、5週目までは平均値よりも長い距離を歩いているが、6週目になると元に戻ってしまった、という結果が報告されている。しかし、別の研究(『Influence of Pokémon Go on Physical Activity: Study and Implications』)では「30日以上は、歩行量が25%以上改善されている傾向がみられる」としている。どちらが正解かはっきりと断言することはできないが、少なくとも2016〜2017年段階では賛否両論が巻き起こっていたことは間違いないようだ。

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