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傑作アクションRPG『すばらしきこのせかい』はなぜ愛され続ける? Switch版発売で歴史を振り返る

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 9月27日、スクウェア・エニックスよりNintendo Switch向けアクションRPG『すばらしきこのせかい -Final Remix-』が発売された。本作は、2007年7月27日にニンテンドーDS用ソフトとして発売されたアクションRPG『すばらしきこのせかい』のリメイク作だ。制作は同社の『キングダム ハーツ』シリーズのスタッフが担当。プロデューサー兼キャラクターデザインも同シリーズのほか、『ファイナルファンタジー』シリーズで知られる野村哲也氏が務めている。

『すばらしきこのせかい -Final Remix-』WEB CM

 ニンテンドーDS版以降も、2012年3月29日に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『キングダム ハーツ3D ドリーム ドロップ ディスタンス』にキャラクターがゲスト出演したり、同年8月27日にはiOS向けのリメイク作『Solo Remix』が配信(※後にAndroid版も配信)されるなど、積極的な展開が続いてきた本作だが、今回、任天堂の最新ゲーム機へと装いも新たにカムバック。『Final Remix』の名の通り、多くの新要素を追加した決定版の内容を売りとしている。

ニンテンドーDSの機能をフル活用したアクションRPG

 オリジナル版『すばらしきこのせかい』は、今なお国内外で根強いファンを多く持つ傑作だ。

すばらしきこのせかい -Solo Remix- LAUNCH TRAILER

 それもあってシリーズ化、続編発売を求める声も多く、2012年の『Solo Remix』発表直前、スクウェア・エニックス公式サイト上で同作を匂わすカウントダウンサイトが開設された時には、ファンを中心に大きな盛り上がりを見せていた。今回のNintendo Switch版もまた、リメイクではあるが、最新の家庭用ゲーム機で蘇るかつての名作ということで、興味深い一作であることは間違いない。

 改めて、オリジナル版『すばらしきこのせかい』の内容を解説すると、ニンテンドーDS特有のタッチスクリーン、二画面を効果的に活かしたゲームシステムを売りにしたアクションRPGだ。物語の舞台となるのは東京の渋谷(※作中では”シブヤ”表記)。突如、「死神のゲーム」なるものに参加させられた少年「ネク」となり、シブヤの街中を散策し、時に「ノイズ」と呼ばれる化け物との戦闘を繰り返しながら、ストーリーを進めていく。

 最大の特色は戦闘システム「スライドクロスバトル」で、上と下の二画面それぞれで戦闘を行い、十字キーによる操作とタッチ操作で敵の「ノイズ」を撃退していく形になる。上下二画面に表示されたキャラクターを同時操作し、アクションゲームのように攻撃を繰り広げていくのもあって、非常に慌ただしく、他に類を見ないスリルに富んだ、ニンテンドーDSの特性を最大限に活かした戦闘システムとなっている。

 特に主人公のネク、下画面でのタッチ操作は多彩。攻撃は装備した「バッジ」ごとに設定された「サイキック」と呼ばれる技を繰り出していくのだが、いずれも基本のタッチから、ひっかく(スライド)、擦る(スクラッチ)と、それぞれ独自の操作を行っていくことになる。中には奇抜なもので声を出す、息を吹きかけるなんてものも。後にも先にも、声を出してで敵を攻撃するゲームというのは本作ぐらいだろう。

 この攻撃の際に用いる「バッジ」も総計300種類と膨大。また、装備している洋服の「ブランド」を合わせ、戦闘を数度繰り広げると街中での流行(トレンド)が変化し、ステータスボーナスが得られるという、都会らしさを反映させた要素が盛り込まれているのも見所だ。

 このような特徴的なシステムがオリジナル版では特に評判を呼び、まさにニンテンドーDSだからこそできたRPGになっていた。そして、更なる魅力がストーリーだ。

「世界を変えたければ、自ら境界を越えろ。」

 突如、「死神のゲーム」への参加を強制された少年少女が、生き残りをかけてミッションの遂行を目指す。様々な謎が散りばめながら進行していくストーリーは二転三転の連続で、思わずくぎ付けになってしまう面白さがある。

 特に注目は主人公の「ネク」だ。単刀直入に言い切ろう。はっきり言って、ゲームを始めて間もない頃の印象は最悪だ。詳細はゲームを遊んでからのお楽しみとするが、強烈な不快感を抱くプレイヤーが多いだろう。

 しかしながら、それは序盤だけ。以降は彼自身の成長がハッキリと見て取れる展開が繰り広げられ、終盤には180度異なる印象を持ったキャラクターへと変貌を遂げる。

 キャッチコピーに「世界を変えたければ、自ら境界を越えろ。」とあり、パッと見る限りだと、世界観の雰囲気からおませな印象を抱くかもしれないが、実際にはこの通りのストーリーが本作では全編に渡って展開され、一通りクリアした後にはそのテーマ性を強く実感させられることになる。この不条理なゲームへの参加を強制された主人公ネクが、全てを乗り越えた先に何を見るのか。そして、彼自身に集う他の登場人物たちにいかなる影響を与えるのか。ぜひ、その目で確認していただきたい。

 ネク以外のキャラクターたちも魅力的だ。特に敵として登場する”死神”は個性派揃い。中でも「ミナミモト」なる死神は、本作を遊んだプレイヤーの誰もに強烈な印象を残すだろう。どんな死神かはこれまた実際に見てのお楽しみだが、台詞のあちこちに数学用語が登場するというだけでも、色々察してしまうはずだ。

 ちなみに彼は中盤の壁でもある。正直、作中でも屈指の強さを誇るボスキャラクターでもあるので、もしも辛く感じたら、戦闘難易度をイージーに下げる(※本作には難易度選択機能がある)ことをお薦めする。

 他にも本作は音楽にも力を入れており、ボーカル曲が10曲以上収録されているのも圧巻。イベント用ではなく、通常の戦闘曲として収録され、雑魚敵との戦闘中に流れるというだけでも、その並々ならぬ気合の入れようが分かるだろう。

      

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