フィロソフィーのダンス・十束おとはが語る“ゲーマーでアイドル”の矜持「私に求められているのは様々なジャンルをこなせること」

フィロのス・おとはすインタビュー

「考えるゲームと人と戦えるゲームをどっちもやってないとダメみたい」

――なるほど(笑)。ちなみにゲーマーであることが、今のアイドル活動を始めるきっかけにもなったんですよね?

十束:そうなんです。私、この世界に入るきっかけが「格闘ゲームの応援団のオーディションを受ける」という、世界に私しかいないんじゃないかってくらいの経歴で。それがきっかけで人前に出るようになり、その楽しさみたいなものを知って、元々好きだったアイドルになろうと思ったのが大きかったですね。一番やり込んだ格ゲーもそのタイトルだったので。

――『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』(※電撃文庫より刊行されているライトノベルのキャラクターが中心となる格闘ゲーム)ですよね。

十束:はい、初めて週7で格ゲーをやったタイトルかもしれません。もともと『とある魔術の禁書目録』がとても好きだったんですけど、その御坂美琴ちゃんがプレイアブルキャラで『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』に追加されることになって。ロケテストに行ってみたら、思いのほか操作が簡単でカッコ良くて、その時にオーディションの案内を見つけて、やってみようと思って応募したんです。合格してからはユーザーさんとの対戦がお仕事になってきて、だからこそちゃんと自分が強くなきゃ申し訳ないと思って、お給料をほとんどゲーセンにつぎ込む勢いでプレイしていました。

――十束さんの根気強さが垣間見れるエピソードです。

十束:「ゲーセンで泣く人って本当にいるんだ」と思ってたんですけど、初めてゲーセンで悔し泣きしたのもこのときでした。しかも、向かい側を見れば誰に負けたかがすぐ分かるので、毎日いる時間を確認して、リベンジを挑むために台に入ったりとか(笑)。何事もそうなんですけど、やっぱり「目標を作って、それを達成するためにどうするか」を考えるのが好きみたいで、それがアイドル活動にも繋がっているんだと思います。いまもどうやったらダンスが上手くなるか、ひとつずつ段階を考えて実行していくのが楽しくて。

 

――しっかり現在の活動にもつながっているわけですね。ゲームをやっていたからこそ、そういう思考回路になることができたと。

十束:そうなんです。でも、特典会で“人読み”して、その人の対策を練ったりしちゃうので……(笑)。

ーー徹底してますね(笑)。でも、それが十束さんの人気にも繋がってるし、ゲームに興味を持つ人を増やしているんだと思います。

十束:だとありがたいですね。私がアイドルを始めることで、また違った形でゲーセンの輪が繋がっていってるのは、本当に嬉しいです。 

ーーちなみに、今までで一番やり込んだゲームは何でしょう。

十束:たぶん一番時間をつぎ込んだのは、『ポケットモンスター』シリーズですね。生きてきた中での重みが違うというか。おばあちゃんの家でも、外に遊びに行くときも、受験当日も一緒でしたし、いつでもどこでも一緒なのってやっぱり『ポケモン』だったんですよね。カードゲームに興味を持ったのも『ポケモン』がきっかけなので。あと、『モンスターファーム2』や『チョコボの不思議なダンジョン』と『DARK SOULS』と『クロノ・トリガー』もめちゃめちゃやりました。

――シリーズで一番好きなタイトルは?

十束:『ポケットモンスター ピカチュウ』です。あの黄色いゲームボーイも大好きで、いまだに取ってあります。今度、Nintendo Switchで『ポケモン Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』が出るので、それも楽しみです。そういえば、他にもやり込んだゲーム、意外とありました。『大乱闘スマッシュブラザーズ』もハマりましたし。Nintendo 64版もゲームキューブ版も、キャラ対策を全キャラ分やりましたもん。

ーーたしか、洋ゲーなどもプレイしていますよね?

十束:はい。『コールオブデューティ』も、『Fallout』も『ウィッチャー3ワイルドハント』もやってました。最近だと『Detroit: Become Human』にめちゃくちゃハマりました。

――選択肢がほぼ無限にあるんじゃないか、というくらい存在しますからね。

十束:あのゲームを通して、「私の人生、これで合ってたのかな?」って人生を考えました。

――やりすぎると、日常に選択肢が出てくるくらいになりません?

十束:なりました! それで一時期、精神がおかしくなりそうでした(笑)。でも、すごくやり込みがいがあるし、考えさせるんですよね。あと、こういうゲームと格ゲーの対戦を同時進行でやってる時が、一番自分の精神が安定している気がします。ちゃんと考えるゲームと、ひたすら人と戦えるゲームをどっちもやってないと、なんかダメみたいで。

――面白いですね。バランスを取ってなきゃ気が済まないと。

十束:そうなんです。だから『Detroit: Become Human』をやったあとに『Overwatch』をやって、そのあとに『ShadowVerse』をやる、みたいなバランス感覚が自分のなかにあります。逆に、『どうぶつの森』だけをやっていると、精神が安定しなくて、血を求めて『PUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)』とか『フォートナイト』をやっちゃうんです(笑)。でも、いまだにボイスチャットができないんですよね……。

ーーなかなか慣れない内は大きな壁ですよね。僕も無理です。

十束:この間も『PUBG』でスクワッドを組んだら、私以外が全員知り合いで「学校ダルいよな」みたいな話題をひたすら聞いてました。とはいえ憧れはあるので、踏み出してみたいんですけど。

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