ベトナム戦争、火星探索、そしてゾンビ! 『ファークライ5』で遊べる、3つのスペシャルエピソード
第二弾:ロスト・オン・マーズ
続く第二弾として配信されたのが『ロスト・オン・マーズ』。『ファークライ5』本編では、飛行機による支援を行ってくれた味方キャラクター「ニック・ライ」を主人公に据えたエピソードだ。
ある日の夜、田舎道をトラックで駆けていたニックの元に友人である「ハーク・ドラブマン・ジュニア」から電話がかかってくる。彼の奇天烈な話を聞いていると間もなく光が射し、目の前にいた牛、トラックが宙に浮かび、空に吸い込まれていった。危険を察したニックはその場から逃げようとするも間に合わず、そのまま空へ。気付いた頃には火星に辿り着いていた。
……という、トンデモ展開から始まる本エピソードでは、火星の地を舞台に地球侵略を目論む宇宙ガニ、ではなくて蜘蛛……のように見えるなにか、とりあえず「エイリアン」と呼称された化け物と戦っていくというものになっている。さらにエイリアンによって、頭だけになってしまったハークを元の姿に戻すべく、彼の身体の部位も集め、またエイリアンに歯向かうAI「アン」を支援するため、各地の施設復旧にも奔走しなければならない。設定とは裏腹に大変な内容だ。
最大の特色は無重力。着地までの時間が長くなっており、それによる長距離ジャンプが可能になっている。ゲームが進むと「重力ベルト」なるブースターも手に入り、それによるホバリングもできるようになる。
戦闘も敵が人外だけあって攻撃は近接攻撃主体、遠距離攻撃も弾の速度が遅めと、銃を持った敵と戦う本編とは一味違う難易度になっている。また、武器やアイテムも火星が舞台だけあってレーザー、プラズマと言ったSF色の強いものに一新。それらの作成、装備の強化を図るにも「宇宙汁(※正式名称「ヘモレウム」)」なるものが必要になるなど、それっぽい設定も面白い。
ファークライシリーズの常連キャラクターで、コメディリリーフでもあるハークが相棒を務めるだけあって、ストーリーは軽妙洒脱、下ネタ成分も濃い目と好みが分かれやすいが、独特の操作感とシステムで楽しませてくれる作り。ボリュームもクリアまで6時間ほどと充実していて、遊び応えも抜群。殺伐とした本編とは対照的な内容で、特にハークが好きなプレイヤーなら要プレイのエピソードだ。宇宙ガニどもを蹴散らし、汁を集めて地球を救おう。