KEISEI「夢の中でもクラフトしている」 宇多丸と『Fallout』シリーズの“遊び方”をめぐり意気投合
6月28日放送の『ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ』(TBSラジオ)に、コーラスグループのDEEPからKEISEIがゲスト出演。番組コンセプトの「新旧問わずゲーム作品の魅力や思い出を語り尽くす」をテーマに、ゲームを通して育んできた思い出や現在のゲーム事情トークを宇多丸と繰り広げた。
番組序盤はKEISEIの幼少期におけるゲームとの向き合い方についてトークが展開された。KEISEIが初めてゲームに興じるきっかけとなった作品は、1990年にゲームボーイ用ソフトとしてリリースされた『ティーンエージ ミュータント ニンジャ タートルズ』(コナミ)。母親の知人の息子がゲームを卒業した際にゲームボーイ本体を譲り受け、叔父にソフト単品を購入してもらい遊び始めたのがゲームとの出会いとKEISEIは語った。
そして1992年、丁度自身が小学1年生の頃になると、格闘ゲームブームを巻き起こしながら当時、絶賛稼働中であった『ストリートファイターⅡ』をデパートの屋上ゲームコーナー等でプレイしていたという。このように物心つくあたりからゲームに夢中だったKEISEIだが、一方で「母親に(ゲームをプレイすると)目が悪くなるってめっちゃ言われた」と話し、家庭内でゲーム環境が厳しいものであったことも明かしている。自宅では居間に置いてある1台の共用テレビでゲームを遊んでいたこともあり、「親が立てる足音に耳が研ぎ澄まされた」と体験談を述べ、宇多丸が頷きながら共感する場面も見られた。結果的には、父親も一緒にゲームにハマり始めたことが功を奏し、当初からゲームに対して冷ややかな目を向けていた母親が、ある程度ゲームを許容するようになったようだ。
番組中盤にて「今までに印象に残ったゲーム作品は?」と宇多丸に質問されたKEISEIは、「一番突き詰めたのはモンスターファーム」と返した。『モンスターファーム』(テクモ・現コーエーテクモ)は、音楽CDなどからゲーム内モンスターをランダム生成するシステムが話題となった育成SRPG。『モンスターファーム2』では歌手の鈴木亜美とタイアップし、CMソングから鈴木亜美をモデルにした限定モンスター「ピクシー」が手に入るキャンペーンも実施されていた。KEISEIは「(モンスターを)育てる楽しさに初めて没頭した」と作品が持つ魅力について発言。同じく心に残っている作品として、友人とプレイした『ダウンタウン熱血行進曲』(テクノスジャパン)を取り上げた。
こちらはアクション性が全面に押し出された作品で、コース中の仕掛けを突破しながらゴールを目指しスコアを競う内容である。対戦要素がふんだんに盛り込まれており、妨害プレイは当たり前で、お祭り要素に特化したパーティーゲームとしての側面も評価されている。KEISEIは本作に関して「初めてゲームでもめた」と笑みをこぼし、「友人宅で接待プレイを覚えた」とエピソードをまとめた。
番組終盤ではKEISEIの最新ゲーム事情にクローズアップ。ここでは『Fallout』シリーズや『The Elder Scrolls V Skyrim』(いずれもBethesda Softworks)と、硬派なオープンワールド形式の作品が多く挙がった。その中でも特にゲームの楽しみ方で宇多丸とKEISEIが意気投合したタイトルが『Fallout4』だ。
核戦争により文明が滅亡したアメリカが舞台の『Fallout4』では、主人公(プレイヤー)やNPCキャラクターの拠点が存在し、同時にクラフト機能によって拠点内へ自由に建築物を設置できる。自由度の高さやコツコツと際限なく遊べる拠点作りに、宇多丸とKEISEIは虜になった。「階段を積み上げたりしてバカ建築方向に持っていく」と独特なプレイスタイルを提示した宇多丸と、「お洒落なバー作り」を目標にするKEISEIの間で、クラフト機能から両者の個性やユーモアが垣間見える。さらにKEISEIは拠点内の住人にタキシードを着用させてバーの店員にしたり、主要キャラクターを使った斬新な遊び方でトークを膨らませた。一つのゲーム作品、それもストーリーと大きな関連性のない拠点のオリジナル建築を深く掘り下げて語ったKEISEIへ、宇多丸は終始「その遊び方があったのか!」と唸りながらトークを締めくくった。
今回のゲストであるKEISEIは、7月5日放送分にも引き続き登場予定。なお番組公式Twitterには、Fallout4仕様のバックと共に映るKEISEIのスナップも掲載されている。KEISEIと宇多丸のトーク内容を振り返るためにも、是非チェックしてみよう。
◾️番組情報
『プレイステーション presents ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ』
TBSラジオにて、木曜日21:00より放送中
HP:www.tbsradio.jp/mygame/
■龍田 優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。
Twitter:@yuki_365bit