清水翔太「クロノ・トリガーにインスパイアされた」 楽曲に込めたゲーム愛を宇多丸に告白
6月14日放送の『ライムスター宇多丸とマイゲームマイライフ』(TBSラジオ)に、シンガーソングライターの清水翔太が出演。番組テーマ「新旧問わずゲーム作品の魅力や思い出を語り尽くす」に沿いながら、心に残るゲーム作品やゲームにインスパイアされて制作した楽曲について、宇多丸と30分間トークを繰り広げた。
番組序盤のトークで、宇多丸はさっそく「翔太君ぐらいの年齢だと、もう家に(ゲーム機)があった感じですか?」と清水へ質問。これに対し「そうですね、気づけば家にありましたね」と清水は返し、続けて「(団らんの一環で)家族でゲームをやるみたいな感じはありましたね」と発言。家にはスーパーファミコン(任天堂)が物心ついた頃から置いてあり、「両親が『ぷよぷよ』(コンパイル)や『桃太郎電鉄』(ハドソン)をプレイしている姿を見てゲームって面白んだなという印象を受けた」と述べた。お気に入りのゲームには『ドラゴンクエストモンスターズ』(エニックス)、『ぷよぷよ』、『ライブ・ア・ライブ』といった作品を挙げ、トークは清水が初めてオンラインゲームに興じるきっかけとなったドリームキャスト用ソフトの話題へと移った。
当時中学1年生であった清水のハートをわし掴みにした作品は、1999年に発売された『ワールドネバーランド~オルルド王国物語~』(リバーヒルソフト)。シミュレーション要素が強いゲーム性で、プレイヤーがそれぞれ自由にライフスタイルをおくることができる自由な世界観が特徴だ。番組中盤で清水は「コレ面白いんですよ」と話を進め、「今でいうオープンワールドのはしりと言えばはしり」と評価した。同時に、「掲示板機能で色んなユーザーと語り合う。それが僕にとって初めてのオンライン体験」とするも、ドリームキャストを代表するオンラインゲーム作品『ファンタシースターオンライン』(セガ)にもドハマりし、「最終的にはインターネット利用料金として40万円にもなる請求が届いた」という衝撃のエピソードで宇多丸を含め番組全体を驚かせた。
番組終盤になると、トークテーマが「清水のマイベストゲームは?」に移行。番組全体を通して様々なゲーム作品名が挙がってきたが、宇多丸に質問された清水は「ゲームって素晴らしいものんだなと思わせてくれた作品で、クロノ・トリガーです」と答えた。1995年にスーパーファミコン用ソフトとして誕生した『クロノ・トリガー』(スクウェア)は坂口博信、堀井雄二、鳥山明が手を組んだドリームプロジェクトによって開発された作品。過去と未来をテーマにした壮大な物語で、後に続編である『クロノ・クロス』もリリースされた。
マイベストゲームにクロノ・トリガーを挙げた理由を聞かれると、清水は「一番はやっぱり音楽なんですよ」とゲームBGMから興味を持ったことを明かした。そのBGMのリスペクトの高さから、清水翔太が2009年にリリースした楽曲「風のように」には、クロノ・トリガーのフィールドBGM「風の憧憬」のサンプリング音源が使われている。番組中に両楽曲がかかると、清水は「クロノ・トリガーの世界観を楽曲に盛り込んだ」と宇多丸へ告げると共に、意図的に隠した裏テーマがあると言及。いわく「雨の中で君を呼んでいる」と歌う部分は、主人公のクロノがマール(クロノ・トリガーのヒロイン)を呼んでいるのではなく、清水がゲーム中に登場するレアな敵キャラクター「ヌゥ」を思い浮かべているとマル秘エピソードを初披露し、一作品への熱のこもった愛情と楽曲制作における「自分が好きなテーマ」の取り入れ方を提示する形でトークを終えた。
清水は6月21日放送分にも引き続き出演する。次回は清水の最近のゲーム事情にフォーカスされる予定だ。今回は懐かしの名作が多く紹介されたが、最近はどんなゲームを楽しんでいるのか? 次週の放送から、清水の今後の楽曲のヒントが探れるかもしれない。
■龍田優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。
Twitter:@yuki_365bit