磔磔が育んできた、ライブハウスとミュージシャンの関係 ドキュメンタリーを機に数々の名演、バンドシーンの変遷を振り返る
京都の老舗ライブハウス、磔磔のこれまでの歩みをまとめた番組『磔磔(たくたく)というライブハウスの話』が、8月7日にフジテレビでオ…
古井戸、RCサクセション、麗蘭、そしてソロ。そのどれもがまったく異なった表情/雰囲気を醸しつつも、すべてが仲井戸“チャボ”麗市の匂いにあふれている(ソロは当たり前だが)。ノスタルジックな情景を想起させる知的な詞世界、忌野清志郎に勝るとも劣らない存在感を誇るハスキー・ヴォイス、あと何といってもアメリカン・ルーツ・ミュージックへの愛情と理解に充ちたソウルフルなギター・プレイ……。とにかくチャボはカッコいいのだ。
70年に加奈崎芳太郎(vo&g)とのフォーク・デュオ“古井戸”が結成される。72年、1stアルバム『古井戸の世界』をリリース(2曲目「ろくでなし」は歴史的名曲)。加奈崎の血管がプツンと切れそうなくらい力のこもった歌声と、仲井戸の燻し銀のプレイが心に染みる、フォーク史に輝く名盤であった。そしてシングル・カットされた「さなえちゃん」の大ヒットをきっかけに知名度を飛躍的に向上させていく。その後もコンスタントな活動を続け計8枚のアルバム(ライヴ盤含む)を発表した古井戸であったが、79年に惜しまれつつ解散。
同年、RCサクセションに正式加入したチャボは、生ギターからエレクトリック・ギターに持ち替え、お得意のブルース・フィーリングを武器に、エモーショナルかつスリリングなプレイをキメまくり、RC大躍進の原動力となった。とくに、ステージにおける清志郎(vo)とのコンビネーションはジャパニーズ・ロックのひとつのハイライトと云えよう。90年のRC解散後は、ストリート・スライダーズ(00年に解散)のギタリスト土屋“蘭丸”公平と孤高のルーツ・ロック・ユニット“麗蘭”を誕生させ、91年に唯一のスタジオ盤『麗蘭』をドロップ。それはもう素晴らしいの一言に尽きるロックンロール・アルバムであった。
ソロとしては、RC在籍時の85年に1stアルバム『THE仲井戸麗市BOOK』でキャリアをスタート。以後、『絵』(90年)、『DADA』(93年)、『グレート・スピリット』(97年)など、“うた心”と“ロック・スピリット”がギッシリ詰まった数々の傑作を世に残していく。
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