Laura Nyroの記事・ニュース・画像一覧

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伸びやかで力強く、そしてエモーショナルな歌唱——97年、癌でこの世を去ったローラ・ニーロの歌声は“ブルージーなソプラノ”と呼ばれ、誰もがその表情豊かなヴォーカルに魅了された。彼女は、ニーナ・シモンやカーティス・メイフィールド、ダスティ・スプリングフィールドなど、熱いパッションを体感させるアーティストたちの音楽をリスペクトしていた。そして自らのサウンドにおいても、R&B/ソウル/ブルース/ジャズ/フォーク/クラシックと幅広い音楽性を吸収・消化したさまを示したのである。
そんなニーロの代表作のひとつがアルバム『ニューヨーク・テンダベリー』(69年)である。黒人音楽を洗練させたようなサウンドのなか、女性ならではの繊細かつしなやかな歌詞を、高揚感のあるメロディに乗せて歌い上げた。この作品は『イーライと13番目の懺悔』(68年)、『魂の叫び』(70年)とともに、現代でも古さを感じさせない“優れたソングライティングの宝庫”として語り継がれている。

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