カニエ・ウェスト、リンキン・パーク、SEVENTEEN……世界的アーティストも導入、生成AIが変えるMV制作の現在地と注目の新進気鋭アーティスト
音楽業界が生成AIの波により大きな変化を遂げている。特にMV制作では、生成AIを利用した高度な映像作成が可能となり、業界の敷居を…
ジェイ・Zやリュダクリス、タリブ・クウェリ、アリシア・キーズら、ジャンル/地区を問わず(つまりそれはこの男がマルチな制作手腕を持っていることの裏づけだ)数々の大物アーティストたちにトラックを提供し、一躍スター・プロデューサーの仲間入りを果たしたシカゴ出身のカニエ・ウェスト(以下:カニエ)。その後に発表したソロ・デビュー・アルバム『カレッジ・ドロップアウト』では、そのトラック制作の卓越した手腕もさることながら、MCとしても自虐性(「スルー・ザ・ワイア」など)、キリスト信仰(「ジーザス・ウォーク」、「ネヴァー・レット・ミー・ダウン」など)、ユーモア性、コンシャス性、エロエロ性などの多表情かつ至極パーソナルなトピックをやや単調なリズムのフロウに乗せて語り、その才能の引き出しの多さを見せつけた。で、その聴き手を自分の世界観へと引きずり込む魅力のあるラップは、インテリ性と計算高いクレヴァー性(?)の狭間を上下に揺れ動くような趣向のもの。いうならば、それは機知や悪知恵に富んだワード・プレイといった風情か。また先述した通り、そのやや単調なラップからも、マジメなカニエの性格が浮き彫りになってくる、と思われる(確か父親は教授だったような)。
以降、カニエがシーンに対して見せた猛攻(の一端)を述べていこう。『カレッジ・ドロップアウト』を大ヒットさせたカニエは、それからもアンダーグラウンドで未発表曲集『フレッシュメン・アジャストメント』シリーズなどを発表。アメリカでも日本でも、インディ・レヴェルでは誰もがサンプリング・クリアランスを行っていないことは(たぶん)有名な話だが、このシリーズに収められているのも、著作権無視の楽曲群。なんとここには、自分が嗜好するア・トライヴ・コールド・クエストやソウルズ・オブ・ミスチーフのトラックをまんま使った楽曲も収録されている。1円たりとも取りこぼししない、カニエの逞しい商魂のほどが窺える作品群だ。多分“クリエイティヴ・コントロール”なんて言葉は出し惜しみしない多作家の彼には無縁なのだろう。そんなカニエが、先述の『カレッジ・ドロップアウト』において現行音楽シーンの第一人者と認められたのはご周知の通り。全3部門でグラミー賞を獲得したのである。その受賞式において、彼は目に涙をためながら「18歳の時から考えてたスピーチなんだ。聞いてください」と言って演説を始めたとか……。そういうエピソードからも思うに、やはりカニエはチョイ変わりものである。
また、一応述べておくが、よくカニエサウンド=「ソウルねたの早まわし使い」という風に考えられているが(ちなみに33回転を45回転にさせているわけではない)、カニエのその手法はただの曲のスパイスやキャッチ(掴み)であって、トレードマークと位置づけるのは正しくないし、本人も本望ではないだろう。確かに『カレッジ・ドロップアウト』収録で反響を呼んだ「スルー・ザ・ワイア」(チャカ・カーン「スルー・ザ・ファイア」のフックを早回転させている)などで見られるその手法は、奇異で面白いものとして世間に認知されただろうが、それは彼の師匠でシカゴの重鎮プロデューサー=ノー・I.D.を始め、RZAなり誰なりによって既に一般化された手法なのだから。カニエのトレードマークはクマちゃんのぬいぐるみとロゴだけで充分だ。
そんなカニエ。彼はコンシャスと位置づけられるラッパーを好むようで、タリブ・クウェリ、モス・デフ、コモン(の05年発売予定アルバムはカニエの全面プロデュースだそう)などと仲良くしていたいらしい。さらに、トウィスタやドゥ・オア・ダイといった同郷者のフック・アップ、コンシークエンス(Q・ティップの従兄弟)や自作自演型R&Bアーティストの次世代スター=ジョン・レジェンドら新鋭のフック・アップにも熱心だ。そういうことからも、独往者的風情のカニエが持つ意外な人情味が透けて見える。のだが、そんなカニエはやはり超B型気質で有名なのだ。横柄というかマイペースというか、その上どうやら極度のナルシストでもあるらしい。まあ、その辺の話は触れないであげよう。とにかく、カニエはトレンドセッター/オピニオン・リーダー(けしてファッション・リーダーではない)であり、今のヒップホップにおいてなくてはならない重要な存在なのである。
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