レディー・ガガ史上最も素直で、ポップで、痛みと愛に満ちたアルバムーー『Chromatica』の構成とともに全容を紐解く
2020年5月29日に発売された、レディー・ガガの第6作目となるオリジナルアルバム『Chromatica』。本作でレディー・ガガ…
日本でも何かと耳にすることが多く、馴染み深い「僕の歌は君の歌」。このドラマティックな楽曲を生み出した屈指のメロディ・メイカー、エルトン・ジョン。彼は、イギリス出身のシンガー・ソングライター中でもっとも成功を遂げた一人と言っても過言ではない。
音楽活動を開始した当初はジェントル・ジャイアントやキング・クリムゾンのオーディションに落とされるなど苦渋も味わったらしい。しかし、努力がむくわれて68年「I've Been Loving You」でソロ・デビューを果たし、70年にリリースされた先述の「僕の歌は君の歌」の大ヒットによって一気にスターダムへと駆け上がる。緩急の効いたヴォーカルとピアノを武器にジョンが呈示したサウンド・スタイルは、ジェリー・リー・ルイスを彷彿させるド派手なピアノ・プレイから繰り出すロックンロールと、可憐な鍵盤さばきが美しい響きをもたらすバラードであった(これは、近年ミュージック・シーンを沸かせたベン・フォールズ・ファイヴの原型にあたるスタイルとも言えるだろう)。この2大カラーを軸に『ホンキー・シャトー』(72年)以降、7作品を全米チャート1位に送り込み、確固たる地位を築きあげたのだ。また、作詞家バニー・トーピンとのコンビも忘れがたく、彼が居なければジョンの成功はあり得なかったと唱える人も多い。
ドラッグ問題による作品クオリティの浮き沈み、バイセクシャル発言、元妻から破格の慰謝料請求——彼の周囲は常に騒々しく、不安材料が多いミュージシャンの典型とも言える。だが近年では、ダイアナ妃へ捧げた「キャンドル・イン・ザ・ウインド'97」が音楽史上最高のセールスを上げ、エルトン・ジョンが偉大なるミュージシャン(マインドを含め)であることを多くの人が再認識したハズだ。
2020年5月29日に発売された、レディー・ガガの第6作目となるオリジナルアルバム『Chromatica』。本作でレディー・ガガ…