『ナイト ミュージアム』の面白さはなぜ色褪せないのか 子どもの空想と大人の再出発

『ナイト ミュージアム』はなぜ色褪せない?

 9月18日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で、『ナイト ミュージアム』が放送される。

 子どもの頃、閉館後の博物館を想像したことがある人は少なくないはず。ティラノサウルスの骨格が走り回り、モアイ像がしゃべり、ミニチュアのカウボーイと古代ローマ軍が争う。博物館の扉が閉まってからの時間にはやっぱりワクワクさせられたものだ。

 2006年に製作された『ナイト ミュージアム』は、ショーン・レヴィ監督、ベン・スティラー主演のアドベンチャーコメディだ。主人公のラリー(ベン・スティラー)は、仕事が長続きせず、離婚した妻と暮らす息子のニック(ジェイク・チェリー)にもなかなか格好いいところを見せられない。そんなラリーが新たに働くことになったのが、ニューヨークの自然史博物館の夜間警備員。ところが夜になると、昼間は静かに並んでいた展示物たちが一斉に動き始める。

 やはり『ナイト ミュージアム』の一番の魅力は、この設定そのものだと思う。夜になったら、博物館の展示物が動き出す。たったそれだけのことなのだが、これほど想像を膨らませられる設定もなかなかない。ティラノサウルスの骨格が動いたらどうなるのか。歴史上の人物同士が同じ空間にいたら何を話すのか。小さなジオラマの中にいる人々から見れば、人間はどれほど巨大に見えるのか。子どもの頃、一度くらいは考えたことのあるような空想を、本作は次々と映像にしてくれる。

 しかも面白いのが、動き出す展示物たちが、見た目から想像するようなキャラクターとは少し違うことだ。最初にラリーを驚かせるティラノサウルスも、襲いかかってくるのかと思えば、実は骨を投げてもらって遊びたいだけ。威厳のある展示物が意外と子どもっぽかったり、小さなジェデダイアとオクタウィウスが本気で張り合っていたりする。こうした見た目とのちょっとしたズレが、本作ならではの笑いを生んでいる。

 なかでも個人的に好きなのが、ラリーと展示物たちの関係が少しずつ変わっていくところだ。最初のラリーにとって、彼らは夜が明けるまでに元の場所へ戻さなければならない、いわば厄介な存在にすぎない。問題を起こされれば、自分が仕事を失う可能性だってある。それでも毎晩顔を合わせ、それぞれの性格や事情を知っていくうちに、ラリーの向き合い方も変わっていく。やがて彼は、展示物たちに振り回されるだけの存在ではなく、彼らから頼られる存在になっていくのだ。そして、その関係の変化は、ラリー自身が少しずつ自信を取り戻していく過程とも重なっている。

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