桜井ユキ、“さとこ”を通して変化した暮らし 「もう少し自分をいたわって甘やかしていい」

桜井ユキ、さとこ役で変わった暮らしを語る

常に挑戦し続ける“ストイック”な役作り

――近年、本作をはじめ団地を舞台にしたドラマが増えている印象がありますが、桜井さんが感じる団地ならではの魅力とはどのようなものでしょうか?

桜井:私自身も幼少期に団地に住んでいたことがあるんです。今はどうしても人との距離を保つことが優先されて、人間関係が希薄になりかけている部分もあると思いますが、団地特有の人との距離の近さは本当に魅力的な環境だなと改めて思いました。「誰々さん、おはよう」って立ち話したり、子どもたちがランドセルをポンって置いてみんなで集まって遊んでたり。今の時代にはあまり見られない距離感だからこそ生まれる安心感や、人とのつながりの温かさがありますよね。団地ロケの日数はそれほど多くなかったんですけど、住民の皆さんが「おかえりー!」って声をかけてくださったのが本当にうれしかったです。

――本作をはじめ、近年さまざまな作品で役の幅を広げられていますが、ご自身の演技への向き合い方に変化は感じられますか?

桜井:最近は作品ごとに印象の異なるキャラクターをやらせていただく機会が多いので、大変な部分もありつつ、それ以上に大きなやりがいを感じています。常に意識しているのは、「桜井ユキにオファーしてよかった」と思っていただけるようなパフォーマンスをすること。そこが、最終的に作品を観てくださる方の心に届くことにもつながると思っています。毎回プレッシャーはありますが、それと同時に「絶対にやってやるぞ」という気持ちや、役に挑戦できることへの有難さ、ワクワク感を持って臨んでいます。

ーー完成した作品を観て、手応えを感じられることもあるのでしょうか?

桜井:自分の演技を見て「うまくやれた」って思うことなんて一度もないんです。でも、それでいいと思っています。出来上がったものを自分で良しと評価してしまったら、そこで終わってしまう気がするんですよね。誰に聞いても正解がないのがこの仕事の面白さでもあるので、これからも満足することなく挑戦を楽しんでいきたいです。

仕事一辺倒の生活からの劇的な変化

――『しあわせは食べて寝て待て』という作品との出会いは、桜井さんご自身の暮らしや考え方にも何か影響を与えましたか?

桜井:食事や暮らしに対する意識は、明らかに変わりました。忙しいと出来合いのもので済ませたり、自分をいたわることを後回しにしがちだったんですが、「もう少し自分をいたわって甘やかしていいのかな」と思えるようになりました。

ーー具体的に実践していることはありますか?

桜井:ご飯を自分で作ってみることもそうですし、今まですべて仕事に費やしていた時間のうち、ほんの半日だけでも自分が喜ぶことに使ってみるとか。お買い物でも、散歩でも、おいしいものを食べに行くことでもいいんですけど、スケジュールを組むときのいい塩梅というか、自分を優しくいたわる方法が自分の中にすっかり根付きましたね。

――以前の取材で「今後は実在の人物を演じてみたい」とおっしゃっていましたが、その思いに変わりはなさそうでしょうか?

桜井:はい、そこは変わりないですし、今はより強くそう思っています。自由にお芝居を創作して役を構築していくのとは違って、実在の人物にはある程度決まった歴史や枠組みが存在しますよね。ある程度制限がある状態での役作りというものを、どうしても体験してみたいです。

■放送情報
特集ドラマ『しあわせは食べて寝て待て~早春の養生編~』
NHK総合にて、8月18日(火)22:00~23:12放送
※NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信予定
出演:桜井ユキ、宮沢氷魚、福士誠治、田畑智子、中山雄斗、奥山葵、西山潤、土居志央梨、加賀まりこ、大西利空、徳永えり、根岸季衣 ほか
原作:水凪トリ
脚本:澤井香織
音楽:中島ノブユキ
演出:中野亮平
制作統括:小松昌代(NHKエンタープライズ)、石澤かおる(NHK)
写真提供=NHK

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