『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』Pが語る制作の裏側 横山裕×関水渚バディの信頼関係

『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』の裏側

 この7月からカンテレ・フジテレビ系でスタートした新ドラマ枠「水ドラ☆イレブン」の第1弾『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』がいよいよ最終回を迎える。不穏かつ印象的なタイトル通り、深夜23時台の枠組みを活かしたエッジの効いたサスペンス&バディドラマとして大きな話題を呼んだ本作を担当したのは、カンテレのプロデューサー・中林佳苗。企画立ち上げの経緯から、横山裕や関水渚らのキャスティング背景、そして異色の経歴だからこそ抱く“これからのドラマ制作”への展望まで、たっぷりと語ってもらった。

大切にしたかった“日常に平然と潜んでいるシリアルキラーの怖さ”

――新ドラマ枠の1発目として「シリアルキラー」という題材を扱うのは、かなり挑戦的だと感じました。

中林:「水ドラ☆イレブン」の第1弾作品としてインパクトのあるものを、という方針もあったと思うのですが、どこまでどう表現するべきか私も常に悩んでいました(笑)。この原作コミックを最初に見たときは、まずタイトルに惹かれまして。「シリアルキラー」という馴染みのない猟奇的な言葉と、「待ち合わせ」という極めて日常的な言葉の掛け合わせに意外性がありますし、それでいて物語自体は痛快で分かりやすいので、ギャップがすごくおもしろいなと思いました。

ーーどこまで原作の描写を再現できるかというハードルもあったかと思います。

中林:23時台という放送枠でどこまで猟奇的な描写をしていいのか、どこまで非日常感を出すべきかの塩梅が難しかったです。でも一番大切にしたかったのは、“日常に平然と潜んでいるシリアルキラーの怖さ”でした。ごく普通に接している人の中にも狂気が潜んでいるかもしれない、生活圏で起きるホラーのようなおもしろさ。そこを上手く映像化できればと思って制作していました。

――犯人側が日常を送っていて、あるポイントで裏の顔を出してくる。その変貌ぶりを俳優陣が見事に演じられていましたね。

中林:残虐的、猟奇的な直接表現が限られる分、シリアルキラーになりきる俳優部のお芝居の見せどころだったと思います。例えば、第5話・第6話でシリアルキラーの鰐淵役を演じていただいた猪塚健太さんは、原作以上に狂った怪物感をご自身で提案してくださって、強烈な色をつけていただきました。

――第7話から登場した猫田役の小出恵介さんも強烈なインパクトでした。シリアルキラー役は今回が初めてだったそうですね。

中林:そうなんです。小出さんはこれまで爽やかな役の方がイメージがあり、シンプルに演技がすごくお上手な印象でした。そんな小出さんが、まともな人間の感情や理性がないシリアルキラーを演じたらどうなるんだろう、見てみたいなという興味でお声がけさせていただいたのですが、現場でお芝居を見ていると、思わず監督と顔を見合わせて笑ってしまうほど、本当に狂気的でした。他にも、女性シリアルキラー役の田鍋梨々花さん、山崎紘菜さんもそれぞれ個性的な怖さを見事に表現してくださってました。

――磯貝役で主演を務めた横山裕さんは改めていかがでしたか?

中林:横山さんはこれまでもカンテレのドラマに出ていただいておりましたが、今回新ドラマ枠1発目の主演として、お芝居はもちろんですが、人柄も本当に素敵な方だなと感じました。自分のことは二の次で、常にキャスト・スタッフ全員へ気を配り、現場の空気をすごく大事にされていました。また、横山さん自身、刑事役が続いていることもあり、一緒にお話しながらこれまでとはまた違う刑事「磯貝」というキャラクターを作っていきました。復讐に燃える思いは持ちつつも、中華店のシーンのような抜け感やバディの面白さも丁寧に演じてくださって、本当に頼もしかったです。

――ヒナタ役の関水渚さんは「この作品が自分にとって勝負になる」とおっしゃっていました。

中林:ヒナタ役は、特殊能力を持ちつつも日常を生きているという“日常とファンタジーが混ざり合った存在”なので実写化において最も難しく、重要な役でした。関水さんは表情がとても豊かで、ちょっとした言い回しなどでもガラリと印象を変えられる方で。横山さん演じる無骨な磯貝に対し、内に秘めた感情を持ちながらもパッと照らしてくれるような華やかさを与えてくれて、最高のバディでした。

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