『新劇場版☆ケロロ軍曹』は音楽にも注目 オープニング曲から主題歌、劇伴まで徹底解説

「飛び出す絵本」のような世界を音楽で表現

アップデートされているのはオープニング曲だけではない。今作のサウンドトラックには『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレ東系)をはじめとした実写ドラマや映画を中心に、『うしおととら』や『バトルスピリッツ』シリーズ、放送中の『神の雫』などアニメ作品の音楽も多数手がけている瀬川英史が初参加。瀬川は「このような歴史がある作品に携われるのは光栄なこと」と話す。
「ただ16年ぶりの企画で、それもテレビシリーズではなく映画となると、過去のテレビの音楽のテンポ感と同じというわけにもいかないかなと思いました。この16年の間、映像作品全般的に音楽の量が増える傾向にあったと思うんです。僕が子供の頃に観ていたアニメや実写映画と比べると、音楽の量や使い方は相当変わりました。そして今回の『新劇場版☆ケロロ軍曹』は、構成が目まぐるしく変わります。ガンプラを作っていたかと思ったら、宮古島から渋谷から、果ては宇宙まで……と舞台も目まぐるしく変わります。視聴者が見やすいように、場面転換を音楽でしっかりサポートしたつもりです。シーンが変わって次の音楽をどこからスタートさせるか、といった所謂スポッティングは効果音がつかない状態で作業するので、なかなか難しい部分もありました」(瀬川英史)

『ケロロ軍曹』シリーズのBGMといえば、1980年代を彷彿とさせるシンセサイザーが多用されたピコピコサウンドや、ノスタルジックで心温まるサウンドが印象深い。『新劇場版☆ケロロ軍曹』でもそれらは踏襲されているが、地球の存亡を賭けた戦いのシーンでは、オーケストレーションされた壮大な楽曲が展開されている。またシーンによってロックやマーチ、宮古民謡や“ガンダムインスパイア系サウンド”など、流れる音楽ジャンルの振り幅がとても広い。「シーン毎のメリハリは、他作品と比べたらとても重要でした」と瀬川。ケロロたちが対峙する相手や場所が、矢継ぎ早に変わって行く様子を「飛び出す絵本」と例えながら、「ページを捲ると次の世界が展開され、その世界が視聴者の目の前に分かりやすく広がるように見せる・聴かせるというのが、僕のミッションだと思ったんです」「結果として音楽ジャンル的には多岐に渡るものになりましたが、僕としてはどの音楽とジャンルも自然に選択した結果なんです」「例えば空中戦が始まると効果音とセリフが中心となりますが、登場キャラクターが多いのでセリフの受け答えが他の作品と比べたらやっぱり結構多いですよね。だからと言って音楽の量感を落とすと全体のダイナミクスも落ちてしまいがちなので“セリフの邪魔はしない”をファーストプライオリティにしつつも、音楽が地味になりすぎないようシーンに合わせて丁寧に書き進めました」と語る。多彩なジャンルを網羅したサウンドトラックは、恋愛ものから刑事もの、学園もの、コメディやドキュメンタリー、ファンタジーやSFと、ジャンルもプラットフォームも様々に活躍してきた、瀬川の手腕がいかんなく発揮されている。
キャラクターごとに息づく『ケロロ軍曹』らしい音楽

また、ケロロ小隊のメンバーはもちろん、お馴染みのキャラクターたちが次々登場するたびに流れる、各キャラクターの個性が発揮された音楽も実に魅力的。なかでもアンゴル=モアや宇宙警察ポヨンの登場曲は、人気アイドルさながらのポップさでトキメキが止まらなかったファンも多いだろう!
「16年ぶりにこの世界に帰ってきた視聴者が、モアやポヨンを見て『あ〜この子達、久しぶり!』という気持ちになれるようにと書きました。サントラにも収録した『宇宙警察ポヨンちゃん』は、自分でも気に入っています。終盤にいきなり出てきて彼女のキャラクターを振り撒いていきましたけど、音楽でしっかりサポートできたかなと思います」(瀬川)

『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』オリジナル・サウンドトラックには、絶妙なさじ加減で琴線に触れる、単なるBGMを超えた、まさしく“耳で鑑賞する映画”といった全82曲が収録されている。
「サントラは時系列順に収録していますから、サントラを聴きながら各シーンを思い出していただければと思います。そして! これは僕もサントラを手にするまで知らなかったのですが、通常のCDジャケットよりも倍くらい大きい特殊なパッケージになっているので〜あります! 僕の家のCDラックにも当然入らず、“どこに置いたらいいんじゃい!?”という、非常〜にお騒がせなパッケージになっています。そこも『ケロロ』らしいなと思って、とても気に入っています(笑)」(瀬川)

“『ケロロ』らしさ”を堅持しながら、持ち前のパロディ精神で新しいものもサラッと取り入れる、懐の深さを持った『新劇場版☆ケロロ軍曹』。それを彩る主題歌や音楽には、アニメ化20周年という歴史があればこその“懐の深さ”と“遊び心”、そして携わったアーティストの原作愛があふれている。
劇場ならではの音響で多彩な音楽を楽しみながら、『新劇場版☆ケロロ軍曹』を堪能してほしい。
『新劇場版☆ケロロ軍曹』は間違いなくファン必見 変わらないらしさと新作ならではの魅力
劇場版としては16年ぶりの新作となる『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』が全国公開中だ。実際に鑑賞し…■公開情報
『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』
全国公開中
出演:渡辺久美子、小桜エツコ、中田譲治、子安武人、草尾毅、桑島法子、斎藤千和、平松晶子、池澤春菜、石田彰、広橋涼、能登麻美子、長谷川忍(シソンヌ)、ジェシー(SixTONES)
原作:吉崎観音『ケロロ軍曹』(KADOKAWA刊)
脚本・総監督:福田雄一
監督:追崎史敏
キャラクターデザイン・総作画監督:小池智史
音楽:瀬川英史
主題歌:ano「貸しっぱなしデスティニー」
オープニング曲:ano & 粗品「また帰ってきたケロッ!とマーチ」
制作:BN Pictures
配給:KADOKAWA、バンダイナムコフィルムワークス
©吉崎観音/KADOKAWA・劇場版ケロロ軍曹製作委員会
公式サイト:https://www.bn-pictures.co.jp/keroro-anime/movie/
公式X:@keroro_anime
公式Instagram:@keroro_pr
公式TikTok:@keroro_anime
























