『豊臣兄弟!』ラストの急展開から本能寺の変へ 市川團子&[Alexandros] 磯部寛之が存在感

『豊臣兄弟!』急展開から本能寺の変へ

 NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』が第25回「変事の予兆」より、「運命の本能寺」編に突入した。

 この回では、これからを担うものとこれまでを担ったもの、それぞれの進退が残酷なまでにはっきりと描かれる。初登場を飾ったのは、信長(小栗旬)の近習・森乱(市川團子)、信長の甥・信澄(緒形敦)である。キャスティングが発表されたのは、どちらも今年1月。驚くことに竹中半兵衛(菅田将暉)と織田信勝(中沢元紀)と同じタイミングであり、およそ半年の時を超えた満を持しての登場と言える。

 特に人気キャラの森乱を演じる、大河ドラマ初出演の市川團子の注目度は兼ねてより高かった。制作統括の松川博敬氏は、「キャスティングのことで言うと、全体的に若い世代の力を感じます」「これから秀長と秀吉の兄弟が40代とかになったときに、下の世代が出てくる。その時に実年齢が逆転しているとちょっと違うなと思い、20代の俳優の方々が多く出演するようにしました」(※)と明かしており、現在22歳の市川がその筆頭だ。安土城完成の祝宴の場で信長は家臣たちに相撲を取るよう提案。その相手として颯爽と登場するのが、森乱である。

 古参の重臣・林秀貞(諏訪太朗)をはじめ、佐久間信盛(菅原大吉)、そして安藤守就(田中哲司)までもが森乱との相撲に敗退し、信長から追放を命じられる。それは戯れなどではない、冷酷なまでの宣告。まるで“デスゲーム”が開幕したかのような緊張が城内に走る。相対する森乱の爽やかさが不気味に思えるほどだ。新旧の戦いの裏には、林、佐久間、安藤の3人はそれぞれ内通していた疑いがあり、信長は「役立たぬ老人など無用の極み」と死罪となる前に追放を選んでいた。市(宮﨑あおい)の前ではそれを否定しているが、“情け”といったところか。安藤は、息子の定治(森優作)が武田と通じており、羽柴家に迷惑をかけぬよう慶(吉岡里帆)との縁を切り、家を去っていった。「こうしておらんと追いかけてしまいそうじゃ」と小一郎の手を強く握る慶の涙に胸を打たれる。

 信澄は、信勝の忘れ形見。信長が柴田勝家(山口馬木也)に預け、育て上げたという。今では明智光秀(要潤)の娘と結ばれ、誰からも慕われている。秀吉(池松壮亮)は安土城よりも信澄の存在こそが信長の大きさを示す証だと捉えていた。信長からの信任も厚い信澄だが、その本心は何を思うのか。本能寺の変を描く上で欠かせぬキーパーソンの一人だ。

 さらに、土佐の戦国武将・長宗我部元親(磯部寛之)が本格登場。[Alexandros]のメンバーである磯部はこれが初のドラマ出演となる。土佐弁、能の披露、“姫若子”と呼ばれたおなごのような振る舞いといった、初めての役としては一癖も二癖もある人物を、磯部は堂々と演じきっている。

 ほかにも小一郎の嫡男・与一郎(大西利空)がすっかり成長していたりと月日の経過を実感しつつ、ラストに事態は急変する。四国を束ねる長宗我部の対応は、光秀の担当。長宗我部の四国切り取りを信長は認めなかった。「気が変わったのじゃ。うまく説き伏せよ」という信長の理不尽な命令に、光秀は拳を握り、怒りはピークに達していた。これまでも比叡山の焼き討ちをなど、信長への不信感が募っていた光秀。忠誠を誓っていた足利義昭(尾上右近)を信長に追放された恨みが光秀の根っこには深く残っている。そこに届いたのが、義昭からの「討取信長」と書かれた手紙。光秀の脳裏には、義昭の「光秀、わしのもとに戻ってまいれ」「光秀、信長を討て」という言葉が去来する。変事の予兆。本能寺の変は近い。

参照
https://realsound.jp/movie/2026/02/post-2304740.html

■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P52L88MYXY
公式X(旧Twitter):@nhk_toyotomi
公式Instagram:@nhk_toyotomi

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