『風、薫る』意外にも“シマケン”佐野晶哉に勝機あり? 気になるりん×虎太郎との三角関係

NHK連続テレビ小説『風、薫る』第12週のラストで、りん(見上愛)の幼なじみ・虎太郎(小林虎之介)が、恋のライバルである“シマケン”こと島田(佐野晶哉)との対面を果たした。栃木から上京して銀座の製薬会社で働き始め、すっかり垢抜けた虎太郎を前に島田は自信を失くす。一方、虎太郎もりんと親しげに話す島田の存在に脅威を感じたようだ。
りんをめぐる三角関係がこれから激化していきそうな予感だが、どちらかといえば、有利なのは島田ではないだろうか。幼なじみゆえにりんと一緒に生きてきた時間は圧倒的に虎太郎のほうが長い。しかしながら、島田はりんと期間は短くも濃密なやりとりを交わし、着実に心の距離を縮めてきた。

2人が出会ったのは、りんが東京で家族とともに身を寄せる舶来品店「瑞穂屋」。一時期お店で働いていたりんが外国人客の対応に困っていたところ、流暢なフランス語で助けてくれたのが島田だ。その正体は新聞社で活字工として働きながら、小説家を目指す青年だが、当初はりんに身の上を明かしたがらなかった。そこには、自分はまだ何者でもない宙ぶらりんな存在であるというコンプレックスがあったのだろう。
金田一耕助のような風貌も相まってミステリアスで一見とっつきづらそうだが、案外そうでもないのが彼の不思議なところだ。男手がない一ノ瀬家を島田は何かと手伝うようになり、りんの母である美津(水野美紀)や娘・環(英茉)の懐にもすんなりと入り込んでいく。のちに母と祖母が仕切る浜松の料理屋の末っ子で、姉が3人、兄が1人いると判明し、妙に納得してしまった。女性に囲まれて育った男性特有の安心感と共感力を島田は持ち合わせている。

ゆえに、りんの良き相談相手となっていくのも自然な流れだった。加えて子どもの頃から体が弱く、本ばかり読んできた島田は物知りで、人と少し違った角度からりんにアドバイスすることができる。捨松(多部未華子)からトレインドナースにならないかと誘われ、迷っていたりんに、「気にしているのは家族への目もあるけど、自分への偏見なんじゃない? ナースになれば、再婚は難しくなるって」とさり気なく偏見に気づかせてくれたのも島田だった。その後、看護婦養成所に入学したりんがナイチンゲールの著書にある「observer」の翻訳に苦戦していた際には、西周が充てた「観察する」という訳語を与えてくれた島田。小説家志望というだけあって、人間観察力と言葉選びは流石だ。




















