スピルバーグ新作『ディスクロージャー・デイ』は現実とリンク? 3つの予告編から徹底考察

スティーヴン・スピルバーグが、再び“空”を見上げる。
全米では6月12日、日本では7月10日に公開が決定している待望の新作SF映画『ディスクロージャー・デイ』。だがその全貌は、いまだに厚いベールに包まれている。
思えばスピルバーグは、『未知との遭遇』(1977年)では宇宙人とのファーストコンタクトを描き、『宇宙戦争』(2005年)では宇宙からの侵略パニックを描いた。そしてこの新作では、「すでに彼らは存在し、その真実は権力によって隠蔽されてきた」という、陰謀論的なアプローチをとるのではないかと推測される。もしそうであれば、本作はスピルバーグの宇宙映画における第3のフェーズとなるはずだ。
これまでにアメリカ本国で公開された予告編は以下の3本。
本稿では、この公開された3本の映像を手がかりにして、『ディスクロージャー・デイ』が何を描き出そうとしているのかを、筆者の妄想込みで考察してみたい。
最初の特報では、「もし我々が孤独ではないと知ったら。誰かがそれを示し、証明したとしたら。あなたは恐怖を感じるだろうか?」という静かな問いかけから始まる。このセリフは、この映画が「宇宙人はいるのか?」という次元をとうに過ぎ去り、それが証明されたときに人類の精神や社会がいかに崩壊するのかを描く作品であることを宣言している。
0分17秒、エミリー・ブラント扮するお天気キャスターが「おはよう、カンザスシティ」とにこやかに番組を進行する。しかし次の瞬間、未知の力によって彼女の声は突如としてジャックされ、その口から発せられる言葉はひどく歪んだノイズ混じりの音声へと変貌してしまう。
公共放送の電波を乗っ取り、全世界に向けてメッセージを発信するという手法は、スリラー映画における王道アプローチ。本作のタイトルが「情報の開示(ディスクロージャー)」であることを踏まえれば、未知の存在、あるいは真実を暴こうとする何者かが、テレビというマスメディアを通じて、全人類に直接何かを告げようとしている瞬間だと思われる。

注目したいのは、カンザスという地名。ここは『オズの魔法使』(1939年)の主人公・ドロシーの故郷だ。彼女が巨大な竜巻に飲み込まれ、モノクロの現実から極彩色の異世界へと飛ばされたように、人類がディスクロージャーという後戻りできない嵐に巻き込まれ、全く新しい現実へと放り込まれることを暗示しているのだろう。
1分20秒には、巨大なミステリーサークルが登場。その幾何学的なデザインは、分子構造や惑星の軌道を思わせる。国家権力が事実を隠蔽し続ける一方で、“彼ら”は大地という巨大なキャンバスを使って、全人類に向けたディスクロージャーを強行しようとしているのではないだろうか。
1分47秒、少女の寝室に巨大な角を持つシカと赤い鳥が現れる。ケルト神話をはじめとする古くからの伝承において、巨大なシカは森の王や現世と異界を繋ぐ案内役として描かれてきた。また赤い鳥(カーディナル)も、北米のフォークロアでは霊的世界からの使者とされる。高度なテクノロジーを持つ未知の存在が直接姿を現すのではなく、我々に馴染み深い地球の動物たちをまるで代理人として遣わしているかのようなこの描写は、童話的な神秘性を帯びている。





















