『マーティ・シュプリーム』は美しき“勝者”の物語 ジョシュ・サフディ監督インタビュー

ティモシー・シャラメの凄さを実感した卓球の試合のシーン
ーー今回の作品ではティモシー・シャラメがマーティ役として監督の描きたい人物像を見事に体現していました。企画段階から一緒に動いていた彼の貢献は計り知れないものだったと思いますが、実際に一緒に仕事をしてみてあなたが感じたティモシー・シャラメの“意外な一面”があったらぜひ教えてください。
サフディ:ティモシーは物事に対して非常にシリアスに取り組む人。例えば、撮影中は携帯電話の電源を切っていて、連絡がつきにくくなるくらいなんです。役作りのために、コミュニケーションも監督の僕とだけ取るという姿勢を貫いていました。彼が非常に真面目な人だとはわかっていたつもりでしたが、ここまで入り込むとは驚きでした。もっとも感心したのは卓球の試合のシーン。私たちは、1940年代から1980年代に至るまでの選手や試合のさまざまな場面、さらにはいくつかの現代的な場面を参考にして作った映像をもとに、かなり複雑で難しい振り付けを準備していました。そしてティモシーはそれらすべてを覚えなければなりませんでした。
ーーしかもエンドウ役の川口功人さんと張り合えるほどの力があるという説得力を持たせないといけないわけですもんね。
サフディ:その通りです。振付師は「連続して2点3点取るようなシーンはさすがに撮れない」と言っていたのですが、僕にはそのシーンが必要でした。なぜなら、ポイントとポイントの間にこそ、彼らの感情や物語が見えてくるからです。不可能だと思っていたその撮影でしたが、なんとティモシーは見事にやり遂げてくれました。僕は「カット」と言う必要すらありませんでした。彼が『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』でボブ・ディランを見事に演じていたのを観て、ある程度のことができるとは予想していましたが、まさかここまでとは。本当に驚きでしたし、素晴らしかったです。
ーー日本では弟のベニー・サフディが手がけた『スマッシング・マシーン』が5月15日に公開されます。同じスポーツを描いた作品で、日本が重要な舞台になるという共通点がありますね。
サフディ:その奇妙な共通点には僕も驚きました(笑)。僕がちょうど『マーティ・シュプリーム』のプロジェクトに取り組んでいたときに、ドウェイン・ジョンソンが僕とベニーにマーク・カーの物語に興味がないかと連絡してきてくれたんです。僕は『スマッシング・マシーン』のベースになったドキュメンタリーが大好きで企画にも興味がありましたが、タイミング的に難しく、マーク・カーの物語をとても気に入っていたベニーが単独で監督することになりました。彼にも「2つの作品が日本でのチャンピオンシップや大会で終わるなんて、とても面白い偶然だと思わない?」という話をしましたね。
ーー今後はもう2人で一緒に映画を撮ることはないんですか?
サフディ:どうですかね……。ベニーは今、自分自身が語りたい物語を撮ることに興味を持っていて、まさに別の映画に取り組んでいるところです。僕自身は次に何をしたいのか、まだはっきりと決めきれていないところがありますが、やりたいことのアイデアはたくさんあるんです。はっきりと言えるのは、一つずつやりたいことを実現させていきたいということ。その中で、またベニーと一緒に映画を撮る機会があるかもしれませんし、そうはならないかもしれません。未来がどうなるかなんて、誰にも分かりませんから。
■公開情報
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
出演:ティモシー・シャラメ、グウィネス・パルトロウ、オデッサ・アザイオン、ケビン・オレアリー、タイラー・オコンマ(タイラー・ザ・クリエイター)
監督・脚本:ジョシュ・サフディ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2025年/アメリカ/英語/149分/原題:Marty Supreme/レイティング:G
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公式サイト:happinet-phantom.com/martysupreme/
公式X(旧Twitter):@martysupreme_jp

























