『豊臣兄弟!』菅田将暉が竹中半兵衛役で真骨頂を発揮! 白石聖の“最後の笑顔”が眩しい

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第9回「竹中半兵衛という男」では、竹中半兵衛(菅田将暉)がついに本格登場した。小一郎(仲野太賀)は藤吉郎(池松壮亮)、蜂須賀正勝(高橋努)とともに美濃の斎藤龍興(濱田龍臣)の家臣である半兵衛を織田家に誘い込もうとしていた。
前回の短い出演シーンからも滲み出ていたように、半兵衛はかなりの変わり者だ。庵に閉じこもったまま、喋らず、会話は紙での筆談。辛抱たまらず蜂須賀が障子戸を開けると、矢が飛んでくる仕掛けになっている。庵の中には、ほぼ再現された小牧山城の模型。小一郎たちは半兵衛に翻弄されながらも、天才的な軍略家としての才に魅了されていた。

半兵衛は、諸葛亮が三度の礼を尽くされて初めて誘いを受け入れた「三顧の礼」に自身を重ね、藤吉郎からの3度目の説得で仲間になることを決める。菅田将暉が大河ドラマに出演するのは、『おんな城主 直虎』(2017年)、『鎌倉殿の13人』(2022年)に続き、これが3度目というのも偶然のようで、運命的にも思えてくる。
そのカリスマ性や天才的な軍略家としての側面は、一見すると彼が過去に演じた井伊直政や源義経と通ずるように思えるが、これまでと大きく異なるのは、半兵衛が幼い頃から病弱で戦場に出ることが叶わなかったこと。半兵衛の「半」は“半端者の半”だと自身を蔑みながらも、「考えることしかできなかったからこそ」幾度も死を潜り抜けてこられたのだと回顧する。桶狭間の戦いも、思い描いていたのだと。その語り口は見事。ドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)の久能整、とまではいかないものの、菅田の真骨頂とも言える滑らかな台詞回しが遺憾なく発揮されている。

それでいて飄々とした底の知れないミステリアスさと、侍としての内に秘めた熱き闘志も持ち合わせている。筆者が心を奪われたのが、竹中家の城・菩提山城で半兵衛が小一郎たちに「私は戦が好きなのじゃ」と滔々と話し始めるシーン。戦場に出ることはなくとも、策を練り、その通りに事が運んで勝利を収める。それが何事にも代えがたい喜びなのだと。そのためであればどんな策も講じる。けれど、それは間違っている気がするが、衝動には逆らう事ができない。そんな自分が恐ろしい――風に舞う紙飛行機のようにゆらゆらと緩急をつけながら進んでいく半兵衛の言葉運びに、小一郎たちもすっかり引き寄せられているように見える。
そんな魅惑的な半兵衛の暗躍も加え、龍興に不信感を抱いていた安藤守就(田中哲司)、氏家直元(河内大和)、稲葉良通(嶋尾康史)の美濃三人衆が織田軍に降り、龍興を稲葉山城の戦いで破って、信長(小栗旬)は美濃を統一。居城を稲葉山城へと移し、その地の名を岐阜と改めた。

第9回では思わぬサプライズもあった。第8回で命を落とした直(白石聖)と父・喜左衛門(大倉孝二)とのエピローグ的なシーン、そして直の思いを胸に前に進んでいく小一郎の姿が描かれたのだ。
直の死を悼む間もないまま、小一郎は藤吉郎からの無理難題に応え、気落ちしている暇はないと自分に言い聞かせていた。直の墓前で小一郎は喜左衛門と再会。平謝りする小一郎に、喜左衛門は直と交わした“賭け”を話し出す。それは、直が小一郎の祝言の挨拶をしに中村へ帰った日のこと。喜左衛門と酒を酌み交わす直は、争い事はなくならないが無駄な殺し合いはなくすことができる、小一郎ならばそんな世にすることができると、へそくり全てを賭けたという。もしかしたらそういう世にできるのではないかと騙されたくなる、それが小一郎という“旦那様”だと。

信長の美濃統一、半兵衛を調略してもなお満たされない小一郎。直の喪失に自身を見失い、「もうどうでもええわ」と墓前に刀を置く小一郎にとって、喜左衛門から聞いた直の言葉は、小一郎を再び奮起させる起爆剤だった。相変わらずあまのじゃくな喜左衛門だが、直と小一郎を思いやる、許しに似た行動だ。「直とともにずっと見張っておるぞ」という一言が厳しくも優しい。
稲葉山城、改め岐阜城からの眺めに、小一郎は藤吉郎とともに泰平の世を作ることを誓う。そこに現れる、直の幻影。「私すごいな、小一郎ならきっとそう言うと思った」と、直は眩しい笑顔を小一郎に向けた。紐に通されたお守りの銭とともに、小一郎はさらなる景色を目指していく。
■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石 聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P52L88MYXY
公式X(旧Twitter):@nhk_toyotomi
公式Instagram:@nhk_toyotomi


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