『ばけばけ』トキ×ヘブンがついに結ばれる 新年一発目に相応しい“おめでたい回”に

『ばけばけ』トキ×ヘブンがついに結ばれる

 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』が年末から約1週間の休みを挟み、後半戦に突入した。第66話では、ついに互いの気持ちを確かめ合ったトキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)が“家族”になる。新年一発目に相応しい、おめでたい回だ。

 ヘブンは錦織(吉沢亮)とともに、松江から30kmほど離れた杵築を訪れていた。杵築は現・出雲大社周辺の地名で、『古事記』の主な舞台となった、ヘブンにとってはあこがれの場所。日本滞在記の取材もこの地が最後となる。

 そこにトキも呼び出し、ヘブンが旅館で2人に「大事な話」をするシーンは、カメラワークと光と影の演出の妙が際立っていた。杵築に訪れた感動を書けば、日本滞在記が完成することを告げたヘブン。トキには執筆の重要な手がかりとなった神話を語り聞かせてくれたこと、錦織には“友人”として日本での生活を支えてきてくれたことに感謝を伝える。トキと錦織の目からは自然と涙が溢れていた。それがヘブンからの別れの言葉だと解釈したのだろう。

 なにせヘブンは過去の辛い経験から、ひとつの土地に定住し、人と深く関わることを避けてきた。そのことを知ってからの2人はどこかで別れを覚悟していたのだ。「滞在記を書き終えたら、帰国するのか」とヘブンに英語で尋ねようとした錦織に、日本語で、とお願いするトキ。いつもヘブンが「あなたの言葉、あなたの考えを聞きたい」と言ってくれたから、翻訳を通した言葉ではなく、本人から放たれる生の言葉で答えを知りたかったのではないか。「帰る」という答えが返ってくると、分かっていたからこそ。

 しかし、ヘブンから返ってきた答えは「イテモ……イイデスカ?」というものだった。願ってもない言葉に、トキの目からは再び大粒の涙が溢れる。ヘブンの答えは一人で散歩に出かけようとした自分に、トキが「私もご一緒してもええですか?」と声をかけてくれたときから決まっていたのかもしれない。閉ざしていた心にトキが勇気を持って踏み込んでくれたから、ヘブンもそれに応えようと、あの日、浜辺で自ら手を伸ばしたのだろう。

 ヘブンが過去を乗り越えたことが分かる描写は今回もあった。最初は襖を挟み、夕暮れの日差しが差し込む縁側にトキ、光が届かない部屋の隅にヘブンがいた。そこから縁側に移動し、トキの隣に座る。その一連の流れが、ヘブンの心情の変化を言葉以上に物語っていた。

 そして「ズット、トナリ、イサセテクダサイ」と自分の言葉でトキにプロポーズしたヘブン。そのとき、一瞬だけ錦織目線で2人の後ろ姿を映し出すカメラワークも秀逸だ。まるで幸せな瞬間に自分も居合わせたかのような高揚感がある。吉沢亮の細かい芝居も見逃せない。こと恋愛に関しては疎い錦織も、2人が醸し出す甘い雰囲気から事情を察した様子。トキとヘブンが完全に2人の世界に入り込む中、所在なさげに茶をすすり、静かにアチッとなる錦織に思わずふふっと笑みがこぼれた。まさにユーモアと温かみが混在し、感動と笑いが同時に押し寄せるふじきみつ彦ワールドだ。

 次の日、西洋人で初めて出雲大社に参拝することが許されたヘブンはそこでトキと永遠の愛を誓い合う。八重垣神社の池に浮かべたトキの船が嘘みたいに長い時間をかけて、遠くの方で沈んだ日から約5年。恋占いの結果通り、トキは異国からやってきたヘブンとゆっくり心を通わせ、ようやく結ばれた。あまりにも幸せで、すっかり大事なことを忘れていたトキ。ヘブンと一緒になるには、家族の了承を得なければならない。長い間、武士の世を終わらせた諸悪の根源として異人を逆恨みしていた彼らを果たしてトキは説得することができるのだろうか。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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