『119』とセット観たい清野菜名出演作4選 『東京無国籍少女』『トットちゃん!』など

『119』とセットで観たい清野菜名出演作4選

『今日から俺は!!』

『今日から俺は!!劇場版』©西森博之/小学館 ©2020「今日から俺は!!劇場版」製作委員会

 福田雄一脚本・演出の『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で清野が演じた赤坂理子は、見た目は“正統派ヒロイン”なのに、必要なときは一歩も引かない強さを持った人物だ。作品自体はテンポのいい学園コメディだが、理子がいることで物語がただのドタバタにならない。無茶をする男子たちをちゃんと叱り、理不尽な相手には怒り、守るべきラインをはっきり言葉にする。そのセリフが軽く聞こえないのは、清野が本気で怒っている目を作れるからだ。

 さらに理子は、アクションも強烈だ。可憐な制服姿のまま、相手との距離を一瞬で測り、迷いなく踏み込む。蹴りや投げが速いだけではない。重心がぶれず、動きが最後まで止まらないから、カメラの前で本当に強い人の動きに見える。福田組のコメディはテンポが命だが、その流れを崩さずに、見せるところではしっかり見せる。笑っていたはずなのに、次の瞬間には「今の動き、すごい」と唸らされるのである。清野菜名の身体能力と見せ方の巧さが、最もわかりやすく伝わる一作だ。

『婚姻届に判を捺しただけですが』 

『婚姻届に判を捺しただけですが』12/21(火) 最終回 2人が見つけた夫婦の形とは…【過去回はパラビで配信中】

 『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)で清野が見せたのは、強さだけでは言い切れない魅力だった。偽装結婚から始まる関係の中で、彼女が演じる大加戸明葉は、仕事には誇りがある一方で、恋や共同生活には慣れていない。平気なふりをしながら、ふとした言葉に傷ついたり、優しさに戸惑ったりする。その揺れが、とても等身大に描かれていく。

 象徴的なのが第6話の終盤。明葉は百瀬に対して、ただの謝罪では足りない、もっと本音がほしいと感情をぶつける。そして、彼のネクタイを引き寄せて自分からキスをする。ここで清野がうまいのは、この場面を強気でカッコいいヒロインの見せ場にしないことだ。怒っているのに、寂しさもある。思い切った行動の裏に、好きになってしまった自分への悔しさも混ざっている。だからこのキスは甘いだけではなく、「もう逃げない」と自分で決める瞬間として刺さる。

 視聴者が“キュン”とするのと同時に、妙に胸が締めつけられるのは、明葉が感情の主導権を相手に渡したままにせず、自分の手で取り戻すところまで描かれているからだ。清野菜名の芝居は、恋愛のときほど“強さ”と“弱さ”を同じ表情の中に置ける。そこがこの作品の一番の見どころになっている。

 清野は、アクションなら身体の緊張ごと役にするし、コメディなら間と目線で空気を変える。恋愛ものでは、強がりと迷いが混ざる瞬間まで丁寧に拾う。どのジャンルでも、その技術を見せるために演じるのではなく、「この人物はどう生きているのか」をまず成立させてきた。

『119エマージェンシーコール2026 YOKOHAMA BLACKOUT』©︎フジテレビ

 だからこそ『119』で描かれる、声だけで命をつなぐ仕事が、きれいごとに見えない。泣き声や怒号の向こうで、何が起きているのかを想像し、迷いながらも判断を積み重ねる。その積み重ねが、救命の連鎖になる。AIの導入が現実味を帯びる時代に、それでも最後に人がやるべきことは何かを突きつけるSPドラマで、清野菜名の芝居はその問いの重さを、まっすぐ視聴者に届けてくれるはずだ。

■放送情報
『119エマージェンシーコール2026 YOKOHAMA BLACKOUT』
フジテレビ系にて、1月3日(土)21:30〜放送
出演:清野菜名、瀬戸康史、見上愛、一ノ瀬颯、前原滉、酒井大成、三浦獠太、堀内敬子、遠山俊也、柏原収史、長野博、中村ゆり、佐藤浩市
脚本:橋本夏
演出:水田成英
プロデュース:渡辺恒也
主題歌:羊文学「声」(F.C.L.S./Sony Music Labels)
制作協力:C.A.L
制作著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/119emcall/
公式X(旧Twitter)@drama119_cx
公式Instagram:@drama119_cx
公式TikTok:@drama119_cx

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