福山雅治と大泉洋の最強バディが復活！　『ラストマン』が描く“助けてもらう”勇気

　最強バディが帰ってきた。12月28日に放送された『ラストマン－全盲の捜査官－ FAKE／TRUTH』（TBS系）は、変わらない本作らしさとバディの絆を見せつけた。

　2023年4月期に放送された日曜劇場『ラストマン－全盲の捜査官－』（TBS系）は、福山雅治演じる全盲のFBI捜査官・皆実広見と大泉洋演じる刑事·護道心太朗がバディとなり、難事件を解決していく様子が大きな反響を呼んだ。最終話で、皆実（福山雅治）と心太朗（大泉洋）は血のつながった兄弟であることが明らかになり、再会を約束して別れた。続編となる今作はニューヨークで幕を開ける。

　連弾でピアノを弾く福山と大泉でつかみは完璧。大泉が歌う「残酷な天使のテーゼ」まで聞けて、年末ならではの華やいだ気分になったところで響く銃声。今作が刑事ドラマであることを思い出した。火薬の匂い、そして「皆実に暗闇は関係ない」。事件を必ず終わらせる最後の切り札“ラストマン”が、記憶の底からよみがえる。

　心太朗は日本の警察の交換研修生としてFBIに派遣され、半年間の研修を経て帰国。冒頭のテロ組織“ヴァッファ”幹部の検挙は2年前のエピソードということなのだろう。時が経ち、2025年の東京。スペシャルドラマでの皆実と心太朗は顔を合わせない。なんでも帰国前に喧嘩したらしい。

　『FAKE／TRUTH』はバディ復活の過程を描いていて、二人の再合流はラスト20分を待たなくてはならない。心太朗が合流するまで、捜査一課の佐久良（吉田羊）、続いて広報課の渡辺（上川周作）が即席バディを組む。しかし、これは意図的に仕組まれた罠だった。

　ドラマで同じフレーズが繰り返し出てきたら、何かがあると考えるべきだ。「火薬の匂い」が駐車場にいた作業員を指すものと考えた筆者は、それが別の黒幕を周到に隠すための煙幕であることを見破れなかった。『ラストマン』で、皆実は知っているが、視聴者には伏せられている情報があり、それが謎解きのおもしろさに結びついている。

　アンコトローラブルな状況から事態を打開し、終局的な解決へ導くこと。拘束された状態での駆け引きは、犯人の支配下にあってなお、わずかな隙間をこじ開ける執念によって果たされる。指先が発するモールス信号から、心太朗や吾妻（今田美桜）は状況を把握した。