目黒蓮はなぜ“不遇”の役を演じられるのか 『ザ・ロイヤルファミリー』を動かす役割に

目黒蓮はなぜ“不遇”の役を演じられるのか

 さて、『ザ・ロイヤルファミリー』のチーフ演出・塚原あゆ子と目黒とは、2度目のタッグとなる。前作は、映画『私の幸せな結婚』(2023年)だ。この作品は『silent』以前に撮影されており、目黒の俳優人生にとって重要な作品だったようだ。

「今でも塚原さんから教えてもらったことが、自分のお芝居の土台になっているというか。目線とか表情とか、そういう細かいテクニックから、お芝居に向き合う姿勢まで、塚原さんから学んだことは大きくて」(※3)

『わたしの幸せな結婚』予告

 本作は、幻想的で壮大な世界観を持つ和風ファンタジー。目黒は、「異能」と呼ばれる特殊能力を持った孤独の軍隊長・久堂清霞を演じている。青白い顔に銀髪、凛とした和服や軍服姿が美しく、見事なアクションもあって、大きな話題となった。

 無表情で冷酷だった清霞が、「異能」の家同士の政略結婚という形で美世(今田美桜)と出会い、愛情が芽生える過程で、次第に声が柔らかくなり、眼差しが温かく変化していく。繊細で穏やかな表現と激しい面の緩急が見事で、男の強さと弱さの両方を表現できる俳優として地位を確立したのではないだろうか。

 俳優・目黒蓮を作ったといっても過言ではない塚原監督と、『ザ・ロイヤルファミリー』では、どんな面を見せてくれるのか。ピュアだけではない陰も感じる役に、今から期待がふくらむばかりだ。

参照
※1.https://hochi.news/articles/20241231-OHT1T51124.html?page=1
※2.https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=18798
※3.https://press.moviewalker.jp/news/article/1129307/

『ザ・ロイヤルファミリー』の画像

日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』

早見和真の同名小説をドラマ化。税理士としての挫折を味わい希望を見出せなくなってしまった主人公の人生が、馬主である山王耕造との出会いにより大きく動き出していく。

■放送情報
日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:妻夫木聡、目黒蓮、松本若菜、安藤政信、高杉真宙、津田健次郎、吉沢悠、木場勝己、尾美としのり、関水渚、長内映里香、秋山寛貴(ハナコ)、三浦綺羅、小泉孝太郎、黒木瞳、沢村一樹、佐藤浩市
第1話ゲスト:武豊、丸田恭介、菅原隆一、今村聖奈
原作:早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』(新潮文庫刊)
脚本:喜安浩平
演出:塚原あゆ子、松田礼人、府川亮介
主題歌:玉置浩二「ファンファーレ」
プロデュース:加藤章一
協力プロデュース:大河原美奈、小髙夏実
編成:佐藤礼子、中野翔貴
製作:TBSスパークル/TBS
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/RoyalFamily_tbs/
公式X(旧Twitter):@royalfamily_tbs
公式Instagram:royalfamily_tbs
公式TikTok:@royalfamily_tbs

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