『小さい頃は、神様がいて』“順”小瀧望の我慢の奥にある優しさ 仲間由紀恵が流した涙

フジテレビ木曜劇場『小さい頃は、神様がいて』第5話では、永島夫妻のもとに孫の凛と真がやってきたことで、「たそがれステイツ」に新たな風が吹き込む。悲しみを抱えながらも、人はどう日常に戻っていくのか。凛の失踪をきっかけに、あんはこれまでの自分の生き方と家族との向き合い方を見つめ直していく。
「たそがれステイツ」に慎一(草刈正雄)とさとこ(阿川佐和子)が帰ってきた。悲しみを乗り越え、再びこの場所に戻った二人を、住人たちは「お帰り&ようこそパーティー」で温かく迎え入れる。穏やかな時間の中で、笑い声が少しずつ戻っていく。その夜、凛(和智柚葉)と真(山本弓月)が眠りについたあと、小倉家の息子・順(小瀧望)は、自分の過去を打ち明けた。

子どもの頃、いつも周囲の顔色をうかがっていた順。そんな自分が嫌で、迷わず行動できる人間になりたくて消防士になった。順の言葉には、かつての弱さを引き受けたうえでの誠実さがあった。その話を聞くあん(仲間由紀恵)は、胸の奥がじんわりと熱くなるのも無理はない。順もまた、家族4人で過ごせる時間が限られていることを感じ取っているのだ。

翌朝、慎一は気持ちがふさぎ込んでいた。さとこが発破をかけても表情は冴えず、そのままラジオ体操へ向かう。そこへ「たそがれステイツ」の住人たちがにぎやかに集まり、少しずつ場が和んでいく。そんな中、まだ落ち込む慎一にさとこが「黙って私についてらっしゃい!」と力強く声をかけると、ようやく慎一の顔に笑顔が戻った。

一方、奈央(小野花梨)と志保(石井杏奈)の映画撮影をゆず(近藤華)が手伝い、順も同行することに。その頃、家では渉(北村有起哉)とあんが、旨味堂食品の会長・純一(角野卓造)の話題で盛り上がっていたが、ふと同窓会の存在を思い出す。「行けばいいじゃん」と軽く言う渉に、あんは少しムッとする。それでも、さとこの行きつけの美容室で支度を整え、久々に自分のための夜を過ごそうとする。

その後、渉は会社で山崎(高田夏帆)に同窓会にまつわる女性の心情を聞こうとするが、「後輩にそんな話をするのはどうかと思います」と軽くいなされてしまう。さらに、純一(角野卓造)からも同窓会のあとは奥さんが機嫌悪くなると言われ、不安を募らせる渉。結局、同窓会から帰宅したあんに声をかけ、恒例の夜のドライブへ出かけることに。渉は「行けばいいじゃん」と言ったことを素直に謝るが、あんもまた責めたいわけではなく、ただ心を通わせたかっただけなのだ。いつもは喧嘩が始まる車内も今回は終始穏やかな時間が流れていた。

平穏な日常が続いていた「たそがれステイツ」だが、翌朝、さとこが目を覚ますと、凛の姿が見当たらなかった。前夜、祖母から電話があった際にどこか違和感を覚えていたが、まさかこんなことになるとは思わなかった。驚いた慎一とさとこは「たそがれステイツ」の住人たちに声をかけ、総出で凛の行方を探すことに。やがて、順が自宅を見渡せる高台の階段で凛を見つける。さとこも話していたが、子どもは必要以上に我慢せず、素直になってくれる、それだけでいいのだ。

今回の事件をきっかけにあんは、少年時代の順との記憶を思い出し涙を浮かべる。なぜ自分にとって順が“天使”のような存在だったのか。その理由に、ようやく気づく。順は幼いころから、母であるあんを笑顔にしようと、無意識のうちに“天使”を演じていたのだ。そんな順もまた、今の凛に自分自身を重ねていたのかもしれない。人を思う優しさは、ときに痛みを伴う。それでも、誰かのために生きようとするその姿にこそ、人の強さと愛しさがある。第5話は、“我慢”の奥にある優しさを静かにほどいていく回だった。
■放送情報
『小さい頃は、神様がいて』
フジテレビ系にて、 毎週木曜22:00~22:54放送
出演者:北村有起哉、小野花梨、石井杏奈、小瀧望、近藤華、阿川佐和子、草刈正雄、仲間由紀恵
脚本:岡田惠和
主題歌:松任谷由実
音楽:フジモトヨシタカ
演出:酒井麻衣
プロデュース:田淵麻子
制作プロデュース:熊谷理恵、渡邉美咲
制作協力:大映テレビ
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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