小野花梨&石井杏奈、同世代の俳優だからこそ共有できる“葛藤” 「今が壁にぶつかる時期」

フジテレビ系で放送中の木曜劇場『小さい頃は、神様がいて』は、岡田惠和が手がける完全オリジナル脚本のホームコメディー。北村有起哉と仲間由紀恵演じる夫婦を中心に、レトロな3階建てマンションに暮らす3家族の人間模様が描かれていく。
その中で、小野花梨と石井杏奈が演じるのは、明るく社交的な樋口奈央と、そんな彼女を穏やかに支える高村志保という恋人同士。共通の趣味であるキャンプを楽しみながら、「いつかキッチンカーを開く」という夢を共有している。10代の頃から親交を重ね、「私たちだからこその距離感が自然に出ている」と語る2人に、作品への思いや同世代の表現者として互いに受ける刺激について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「撮休があるたびにご飯に行ってます(笑)」

ーーもともと仲の良いお二人ですが、共演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?
小野花梨(以下、小野):本当に嬉しかったです。しかも“とても仲の良い恋人役”と聞いていたので、不安よりも楽しみの方が大きかったですね。杏奈から「決まったよ」と連絡をもらって、「いっぱいご飯行こうね」と約束しました。今も撮休があるたびに行ってます(笑)。
石井杏奈(以下、石井):私も、花梨と恋人役だと聞いた瞬間、嬉しくてすぐ連絡しました。題材も登場人物もすごく魅力的で、スタッフさんも信頼できる方ばかりの座組でご一緒できることが本当に嬉しかったです。撮影に入ってからもその気持ちはずっと続いていて、アドリブのシーンも多いのですが、「花梨だから毎日が楽しい」と思えるくらい、心地よい現場だなと感じています。

ーーお二人の関係性がそのまま作品にも滲み出ていそうですね。
小野:もう“素”ですね(笑)。もちろんキャラクターとしての違いはありますが、身体的にも精神的にも、私たちだからこその距離感が自然に出ていると思います。

ーー岡田惠和さんの脚本を読んだときの印象や、作品の世界観について感じたことを教えてください。
小野:登場人物全員がユニークでキュートなんです。セリフの言い回しも独特で、読んでいて口に出したくなるような台本でした。奈央という役はとにかく明るくて、杏奈演じる志保のことが心から大好き。彼女へのまっすぐな愛情を、精一杯表現するのが自分の役目だなと感じました。
石井:私も、会話の一つひとつがすごく日常的で、読んでいるだけで情景が浮かぶ本だと思いました。実際に演じてもすごく自然で、「これがどう映像になるんだろう」とワクワクしましたね。志保も奈央のことが大好きで、「ずっと一緒にいたい」と思っているまっすぐな子。でも、メイクや髪で内面を隠そうとしたり、夢に向かう姿勢が誰よりも強かったり、時々鋭い一言を言ったりと、いろんな面を持っているんです。その多面性が物語を通して描かれるのがすごく魅力的だなと。あと、登場人物みんなの“未来を肯定してくれる”ところもこの作品の素敵な部分だと思います。「これから離婚します」という夫婦のどちらも悪者として描かれない。どの人物にも共感できて、みんなを応援したくなる。そういう優しい視点で描かれているところが、この作品の一番の魅力だと感じています。

ーー撮影で楽しみにしているシーンはありますか?
石井:(インタビュー時点で)私たちは途中までの台本しか読んでいないので、「いつか一緒にキッチンカーを開く」という2人の夢が叶うかどうかは気になります。回想のシーンで2人が夢の中でキッチンカーを開いているシーンがあるのですが、それがドラマの中で実現できるのかが楽しみです。
小野:三者三様の愛し方があり、かたちがあり、そして嫌い方があると言いますか。その様がとっても面白くて、人間ってやっぱり誰一人同じ人はいないわけで、同じような関係性のペアはこの世に1つとして存在しないんだなということを、台本を読んでいてすごく感じています。今なんて、3組に1組が離婚する時代だとか。本当にいろんな夫婦の形がありますよね。そんなすべての関係性を面白がれる作品だなと思っていて、私自身はまだ結婚もしてませんが、これからどんなパートナーに出会えるんだろうとか、どんなパートナーとどんな関係性になれるんだろうとか、そんな未来をワクワクしながら待てるようになりました。
仲間由紀恵は“お母さん”のような存在

ーー北村有起哉さん、仲間由紀恵さんとの共演を通して印象に残ったエピソードはありますか?
小野:先日、それぞれに長ゼリフがあるワンシーンを1日かけて撮影しました。おそらくみんな「これは難しいシーンだな」と思っていた中、仲間さんたちが「ミスをいっぱいした人が勝ち」というルールを作ってくださって。「ごめん、もう3回したから」「私は5回してるけどね」みたいな(笑)。ミスを笑い合う空気にしてくれたんです。台本が面白いのはもちろんですが、みんなで現場の雰囲気を底上げしている感じが素敵だなと感じています。
石井:撮影が始まってまだ日が浅いのに、すでにお二人の温かさに包まれながら毎日撮影できています。有起哉さんはお芝居に全力で、普通は何度も同じ芝居をすると笑わせるのが難しくなってくると思うんですが、「本番、違うことやるから」と言ってくださって、毎回違うことで笑わせてくださるんです。仲間さんはみんなを俯瞰して見てくれている“優しいお母さん”のような存在。現場でも「みんなコーヒー好きでしょ」と控室にコーヒーマシンを置いてくださったり、いろんな気配りをしてくださっています。




















