『プレデター:バッドランド』は“初心者”こそ楽しめる? 少年漫画的なアツさにも注目

コンビで生き抜く! 少年漫画的なアツさ

さて、そんな彼も本作で孤独な存在というわけではない。いや、本来プレデターは単独で狩猟を行うのだが半人前のデクには今回相棒が登場する。バッドランドのクリーチャーの巣に囚われていた、下半身のないアンドロイドのティア(エル・ファニング)だ。未開の地の生態系に詳しい彼女に窮地を救われた彼は、不本意ながら行動を共にすることに。
ティアはデクと打って変わって、天真爛漫でおしゃべりで、彼女とデクの温度差もコメディ要素の一つとして機能している。演じるエル・ファニングの様々な表情を観ているだけでも楽しい。そんな彼女を背負って、2人で一人前となり、お互いを補っていく関係性が本作の見どころだ。ティアがただのアンドロイドではなく、感受性が非常に高い点も重要な要素である。デクにはない共感力や思いやりがあり、世界や他種族に対する見方が違う。そんな彼女の目を通して、デクは盲信していた種族の古い価値観……“強さ”の本質をアップデートし、自分自身で“家族”を見つけ出すのだ。
その凸凹コンビ感や、様々な逆境を乗り越えて自分らしいファイトスタイルを築いていく姿など、デクの“王道な少年漫画”的物語がとにかくアツい本作。ラージフォーマットでの公開も決定しており、IMAXなどの大きなスクリーンで迫力満点なアクションや世界観に没入するも良し、作品のゲーム性をアトラクション的な感覚で追体験できるような4DXで観るのも楽しそうだ。また、ティアの吹き替えを『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶ役や、『SPY×FAMILY』のヨル・フォージャー役で知られる早見沙織が務めているため、吹替版も魅力的である。ティアには実は秘密があり、それが明かされた時の早見の演技にも注目してほしい。
『プレデター』シリーズの新たな新章として、デクが主人公として底辺からどんなふうにのし上がっていくのか。アツい物語の行方と熱を、ぜひ劇場で体感していただきたい。
■公開情報
『プレデター:バッドランド』
11月7日(金)全国ロードショー
出演:ディミトリアス・シュスター=コロアマタンギ、エル・ファニング
監督:ダン・トラクテンバーグ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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