『ばけばけ』吉沢亮からトミー・バストウの信頼に心打たれる “九州出身”の堺雅人も絶賛

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第25話は、ヘブン(トミー・バストウ)がようやく錦織(吉沢亮)に心を開く。月曜日放送の第21話から、なぜヘブンは錦織から逃げ続けていたのか、その理由が明かされるのだ。
松江中学の英語教師として、江藤県知事(佐野史郎)が呼び寄せたヘブン。しかし、彼は教師ではなく、『古事記』を読んで日本に興味を持ち、日本についての滞在記を書くために来日した新聞記者だった。いまだヘブンとコミュニケーションが取れず焦る錦織は、江藤からその秘密を知らされる。

松江の地に降り立ったヘブンと握手を交わしていたトキ(髙石あかり)は、手の震えという微かな違和感から、彼の気持ちを悟っていた。「異人」「西洋人」「先生」「高給取り」、はたまた「天狗」とまるで“神”のように崇めてきた松江の人々だが、ヘブンもまた一人の人間。初めての場所、初めての人、高まる期待に、ヘブンは日に日に恐怖と苛立ちを覚えていた。
初登校前日。焦りと怒りが頂点に達している錦織は、トキに止められてもなお、開かずの障子に手をかける。許可なしに部屋に入ってこられ激しく憤るヘブンに、錦織は「ヘブン記者」と呼び、授業には教育的な言葉は必要なく、あなた自身のままでいいと働きかける。机には日本語を勉強した書き損じの紙。生徒たちとコミュニケーションを取るために一生懸命日本語を勉強していたヘブンに、錦織は「困ったら私がいます」と真っ直ぐな瞳で説得する。

天狗のように憤怒していたヘブンは、気づけば心配そうな表情に。それは、自分を偽っていない、ありのままの自分ということだ。「ワタシ……ダイジョウブ?」と恐る恐る尋ねるヘブンに、錦織は「あなたを、待っています」と力強く返答する。すると、みるみるヘブンの表情に力がみなぎっていく。「タベタクナイ!」と怒鳴りつけウメ(野内まる)を泣かせてしまっていたヘブンが、「ハラ、ヘッタ」と錦織に本音を漏らす。それは錦織やトキたちに心を開いた瞬間。これでようやく、ヘブンにとって松江という場所が本当の意味で“地獄”から“天国”になる、そんな兆しにも思える。

「誤解と五回」や“ラストサムライ”、司之介(岡部たかし)のラップ披露など、これまでに比べてもよりコントのテイストが強かった第5週。腹が減っては戦はできぬ、とばかりにしじみ汁が並んだあさげを口にするヘブンだが、平太(生瀬勝久)やウメに「トッテ!」といまだ威張ってばかり、という微笑ましいオチをしっかりつけるのが『ばけばけ』である。
放送直後の『あさイチ』(NHK総合)で第25話の“朝ドラ受け”を担当したのは、日曜劇場『VIVANT』(TBS系)のロケから帰国したばかりの堺雅人。髙石とは宮崎出身の同郷であり、さらには母が島根出身だという。初めて観る『ばけばけ』を「面白い!」と絶賛しながら、「髙石さん、身体に気をつけて最後まで頑張ってね!」と嬉々としてエールを送っていたのも微笑ましかった。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK





















