『チェンソーマン レゼ篇』OP映像は意味が分かるとゾッとする ちりばめられた小ネタを解説

意味がわかるとゾッとする“監視”の演出

『チェンソーマン レゼ篇』のオープニング映像では、米津玄師「IRIS OUT」の明るい曲調に乗せて、デンジたちの日常がコミカルに描かれている。しかし一見何気ないシーンでも、その奥に隠された意味を考察すると、ゾッとするような事実が浮かび上がってくるので油断はできない。
代表的な例は、マキマによる監視の痕跡だ。マキマは公安対魔特異4課のリーダーで、デンジの上司にあたる人物。まだアニメ化されていない部分で説明されている情報だが、ネズミや鳥といった下等生物の耳を借りる力をもっている。おそらく『レゼ篇』でも、その力によってデンジの動向を監視していた可能性が高い。
このことを示すためなのか、オープニング映像ではデンジたちの周りに、決まって小動物などの存在が描かれていた。たとえば公安に行くことを拒否して暴れるパワーに世話を焼くデンジたちの側にはカラス、彼らが通り過ぎた土管の中にはネズミ、3人が乗車する電車を見つめるのは1匹の猫……。日常生活から任務中の動向まで、ありとあらゆる言動がマキマの監視下に置かれているかのような演出だ。
“銃の悪魔”の影を感じさせるオマージュ

さらに多くの原作ファンを震え上がらせたのが、“銃の悪魔の肉片”が映し出されるシーン。弾丸のような肉片の背景には、射撃の的が一瞬だけ映し出されるのだが、これは原作コミックス第4巻の表紙をオマージュしたものだと思われる。
ここで重要なのは、第4巻の表紙で肉片を握っているのが早川アキであること。詳細はあえて伏せるとして、原作の展開を知るファンであれば、銃の悪魔と早川アキの組み合わせから壮絶な運命を連想せざるを得ないだろう。わざわざファンの心を抉るような仕掛けを忍ばせてくるあたり、原作を熟知したスタッフならではの演出だと感じられる。
わずか2分半の尺に、いろいろなこだわりが詰めこまれている『チェンソーマン レゼ篇』のオープニング映像。こうした小ネタを知ったうえであらためて本編を観ると、また違った側面が見えてきそうだ。
■公開情報
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』
全国公開中
キャスト:戸谷菊之介(デンジ)、井澤詩織(ポチタ)、楠木ともり(マキマ)、坂田将吾(マキマ)、ファイルーズあい(パワー)、高橋花林(東山コベニ)、花江夏樹(ビーム)、内田夕夜(暴力の魔人)、内田真礼(天使の悪魔)、高橋英則(副隊長)、赤羽根健治(野茂)、乃村健次(謎の男)、喜多村英梨(台風の悪魔)、上田麗奈(レゼ)
原作:藤本タツキ『チェンソーマン』(集英社『少年ジャンプ+』連載)
監督:𠮷原達矢
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:杉山和隆
副監督:中園真登
サブキャラクターデザイン:山﨑爽太/駿
メインアニメーター:庄一
アクションディレクター:重次創太
悪魔デザイン:松浦力/押山清高
衣装デザイン:山本彩
美術監督:竹田悠介
色彩設計:中野尚美
カラースクリプト:りく
3DCG ディレクター:渡辺大貴、玉井真広
撮影監督:伊藤哲平
編集:吉武将人
音楽:牛尾憲輔
配給:東宝
制作:MAPPA
主題歌:米津玄師「IRIS OUT」(Sony Music Labels Inc.)
エンディングテーマ:米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」(Sony Music Labels Inc.)
©2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社
公式サイト:https://chainsawman.dog/
公式X(旧Twitter):@CHAINSAWMAN_PR






















