『DOPE』中村倫也が瞳に宿した激情 明かされる小池徹平の正体と“5億円盗難事件”の真相

『DOPE』中村倫也が瞳に宿した激情

 『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)第6話では、“力”の覚醒と引き換えに奪われるものの重みが、いつになく生々しく描かれた。登場人物それぞれの選択が揺れ、交錯し、やがて悲劇へと近づいていくさまはまるで、静かに張り詰めた糸が次第に軋みを上げ、切れる瞬間を待っているかのようだった。誰かを救いたいという純粋な願いも、愛する人を守りたいという焦りも、この世界では“異能力”という代償を伴う。その力があるがゆえに、人は試され、追い詰められていく。そんな残酷な現実が、じわじわと登場人物たちを侵食していった。

 物語の冒頭に登場したのは、「バイオエイル遺伝子研究所」の研究者・田所(清水伸)。彼の目的は、異能力を“持たざる者”にも覚醒させるという研究の協力者として、才木(髙橋海人)一家に近づくことだった。結衣(蒼戸虹子)の持つ“テレポーテーション”という稀少な能力は、その研究において特異な意味を持っていた。田所は、美和子(真飛聖)に対して優秀な医師が揃っていると語り、病気の娘を治す代わりに研究への協力をほのめかす。だが、異能力を覚醒させる代償はあまりにも大きい。過去の事例が示しているように、自我が崩壊する者も多く存在したのだ。

 一方、ニコラス(フェルナンデス直行)の潜入捜査がバレた原因がハッキングだったことが判明。才木と陣内(中村倫也)は容疑者の取り調べに臨むよう命じられるが、陣内はジウ(井浦新)からの連絡により、かつての敵「関東仁龍会」の頭・久保の元へと向かってしまう。香織(入山法子)の死に関係している可能性を捨てきれなかった陣内は、怒りのまま久保に暴力を振るう。しかし、ジウが現れて彼を制止。久保はDOPEに関与しているものの、香織殺害には関わっていなかった。


 同じ頃、美和子は才木に、自らがDOPEを所持していた事実を打ち明ける。娘の命を救うために、一線を越えそうになった自分を止めたのは母としての理性だった。そして、DOPEに触れた才木の中である映像が流れ始める。そこには白髪の男の姿。未来だけでなく、過去を視る新たな力“サイコメトリー”が才木の中で開花した瞬間だった。ただ、これが未来予知に変わる能力なのか、それとも新たな能力として開花したのかはわからないが、それでも、この力が物語を大きく動かす鍵であることは間違いない。才木が見た“過去”は、香織の死やDOPEをめぐる陰謀とどのように結びついていくのか。彼の覚醒は、真相に近づくための糸口となる一方で、新たなリスクと苦悩を背負うことにもなっていくだろう。

 その直後、ニコラスが目を覚まし、久保の尾行先に本郷(佐野和真)の姿があったことを報告する。本郷はDOPEを一気に摂取し、能力を暴走させて陣内に襲いかかる。圧倒的な力の前に為す術もなかったが、ここで活きたのは綿貫直伝の戦闘術。才木の機転で本郷の身柄を確保することに成功した。

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