『DOPE』と『SPEC』の“異能力”描写の違いは? 戦隊ヒーロー的演出の爽快感

『DOPE』と『SPEC』の違いは?

 陣内鉄平(中村倫也)の苦しい過去に迫ろうとする影。緊張感ある展開が続く『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)の第4話が7月25日に放送される。徐々に明らかになる陣内の妻・香織(入山法子)と「5億円盗難事件」の関係に注目が集まる。

 本来なら人間が持ちえない「異能力」を扱った本作は、その特別な力を駆使した捜査やアクションシーンが最大の見どころだ。すでに第2話、第3話でもドーパー事件と対峙する中で「特捜課」のメンバーの卓越した才能は光っている。いわゆる超能力を扱った作品は過去に高い評価を得ていることもあり、SNSでは『DOPE』が『SPEC』シリーズ(TBS系)を想起させるという声も多い。今回は『SPEC』や他作品とも比較しながら、『DOPE』の魅力を紐解いていきたい。

 特筆したいのは、麻薬取締部特捜課がそれぞれの異能力を駆使する派手な戦闘シーンだろう。陣内の視力を駆使した圧倒的身体能力と動体視力。才木優人(髙橋海人)の未来予知能力によって仲間が救われるシーンや綿貫光(新木優子)がベッドや金属板を軽々と持ち上げ防御や攻撃へと役立てていく怪力。そして敵となるドーパーの能力を特定する柴原拓海(豊田裕大)の嗅覚。また、葛城康介(三浦誠己)もその聴力を駆使して捜査に有力な情報を掴む。山田ニコラス(フェルナンデス直行)、棗依央利(熊井啓太)らも加わり、チーム全体で事件解決に導く迫力は戦隊ヒーロー作品を彷彿とさせる。

 ドラマ全体がシリアスな犯罪を追いかけ、おまけに壮絶な過去を抱える登場人物もいる中で、戦隊ヒーロー的演出にすることで必要以上に重々しさを感じさせない、スカッとする戦闘シーンへと仕上げている。痛ましい香織の事件に胸を痛めつつも、1話ごとの解決シーンが爽快に描かれることで、ドラマ鑑賞後もスッキリとした後味で終えられる。この絶妙な塩梅が『DOPE』の良さだろう。

 さらに「異能力」やキャラクターの個性については、『SPEC』を連想させるという声も多い。もちろんどちらの作品にもそれぞれの魅力、能力の設定、事件との関わりがあるが、このように過去に大人気で映画化までされたシリーズと近い設定でのドラマとなると、『DOPE』の今後にも自然と期待が高まる。

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