『ちはやふる-めぐり-』は“青春敗者”の物語 プロデューサーが映画版との違いを明かす

『ちはやふる-めぐり-』と映画シリーズの違い

——これまでの『ちはやふる』と差別化したポイントを教えてください。
榊原:映画の世界観は踏襲しつつ、主人公のキャラクターやテーマは大きく差別化しています。今回は、青春をしてこなかった高校生が、かるた部で居場所を見つける物語です。原作は千早、太一、新の男女幼なじみ3人の話ですが、今回はめぐる(當真あみ)と凪(原菜乃華)の女子の友情を中心に、「この子にはかなわない」「一緒に居ると苦しい」というようなちょっと複雑な感情も描かれています。梅園のチームの話も含め、友情が中心の展開になっています。また、家族を描くこともテーマの一つにしています。原作では親と子の関係についても描かれていますが、映画では触れられなかったんですよね。10代にとって親との関係は切り離せない問題ですし、せっかく連ドラとして放送できるならきちんと描きたいというのが、企画立ち上げ段階からの思いでした。
——キャラクターの設定や展開を伺うと、現代性を強く意識されていると感じます。
榊原:そうですね。コロナの感染自体は落ち着きを見せていても、コロナ禍を経たことで今の10代の心境には大きな影響があると思っていて。未来に希望を持ちにくくなっている子が多いと思うんですよね。今の時代を反映しつつ、『ちはやふる』が持つ、今この瞬間を懸命に生きることの尊さと、そういった学生時代の経験が後に自分を支えるという部分を伝えたい思いがありました。コロナ禍を描いているわけではないんですが、その期間が与えた影響にはきちんと触れていて、かなちゃん(大江奏)の現在にもその影響が反映されています。10代、20代がどんな壁にぶつかり、どう生きているのか、物語を通してどう変化するのか注目していただきたいです。

——最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。
榊原:『ちはやふる』のファンはもちろん、過去作を知らない方も楽しめるように意識して作っているのでぜひ観ていただければと思っています。映画に出演した豪華俳優陣も揃っているので、そのあたりも楽しみにしていただければ。家族の話だったり、かなちゃんが置かれている状況だったり、若者の葛藤だけでなく、大人の苦しみについても描いています。ぜひ、全世代の方にご覧いただきたいです。また、原作の『ちはやふる』をきっかけに、競技かるた人口が増え、キャラクターに憧れてプレイスタイルを真似している方もいるくらいなので、ドラマでもそういった形で競技かるた界に貢献できたらと思っています。
2016年から2018年にかけて公開された映画『ちはやふる』シリーズの10年後の世界を舞台にした作品。廃部の危機にある梅園高校・競技かるた部の藍沢めぐるが、顧問として赴任してきた大江奏と出会い、成長していく。
■放送情報
『ちはやふる-めぐり-』
日本テレビ系にて毎週水曜22:00〜放送
出演:當真あみ、原菜乃華、齋藤潤、藤原大祐、山時聡真、大西利空、嵐莉菜、坂元愛登、高村佳偉人、橘優輝、石川雷蔵、瀬戸琴楓、髙橋佑大朗、藤枝喜輝、大友一生、漆山拓実、上白石萌音、内田有紀、要潤、榎本司、富田靖子、高橋努、波岡一喜、髙嶋政宏
ショーランナー:小泉徳宏
監督:藤田直哉、本田大介、松本千晶、吉田和弘
脚本:モノガタリラボ(小坂志宝、本田大介、松本千晶)、金子鈴幸
プロデューサー:榊原真由子、巣立恭平、中村薫、平田光一
企画・プロデューサー:北島直明
チーフプロデューサー:松本京子
音楽:横山克
主題歌:Perfume「巡ループ」(UNIVERSAL MUSIC LLC)
制作協力:ROBOT、ウインズモーメント
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/chihayafuru-meguri/
公式X(旧Twitter):https://x.com/chihaya_koshiki






















