松本まりか＆安田顕が絶賛する“水野・奪い愛・美紀”　『奪い愛、真夏』のポイントを語る

　テレビ朝日系で放送中の金曜ナイトドラマ『奪い愛、真夏』に出演している松本まりかと安田顕のインタビューコメントが公開された。

　『奪い愛』シリーズは、2017年の金曜ナイトドラマ『奪い愛、冬』（テレビ朝日系）を皮切りに、2019年に『奪い愛、夏』（ABEMA）、2021年には『殴り愛、炎』（テレビ朝日系）および『奪い愛、高校教師』（テレビ朝日系）と展開し、さまざまな登場人物たちが愛を奪い合う“激しくも切ないドロキュン恋愛ドラマ”だ。

　主人公は、結婚までも約束した最愛の恋人と不倫の末に別れ、自身のスクープ記者という仕事にも疑問を感じはじめる八方塞がりの日々のなか心機一転、時計メーカー・TOWANIのPR担当に転職し、人生の新たなスタートを切った海野真夏（松本まりか）。ところが、止まっていた心の時計を再起動させた矢先に、どんな運命のいたずらか……新天地で出会ったのは、元カレにそっくりな御曹司社長・空知時夢（安田顕）だった。しかも、彼には妻がいた。

　松本は、『奪い愛』シリーズを手がけてきた鈴木おさむ脚本の印象について「おさむさんにしか描けないアイデアが詰まっていて、脚本を読んだときに感じた面白さをそれ以上にして視聴者に届けるのが私たちの役目。ちゃんと人間にして立体にし、“台詞のキャッチーさ”に説得力を持たせることが大事なので必死です」とコメント。一方、安田は「点と点は面白いけれど、それを線にしていく作業が大変。真剣にやればやるほど視聴者は喜んでくれると思う」と述べた。

　『奪い愛』シリーズについて松本は「とにかくドロドロしていて“びっくり玉手箱”。『奪い愛、真夏』は最新作なので、これまでの良さを保ちつつ新しい面白さも提示したい」と意気込み、安田は「『奪い愛、冬』から約8年ぶり。大人も楽しめる“ドロキュン”を描いていく原点回帰だと思う」とコメントした。

　お互いの印象については、安田は「松本さんは主役として作品を背負い、諦めずに向き合う姿勢が素晴らしい。そういう方とお芝居ができてすごく楽しい」と語り、松本も「安田さんと一緒にやったときに初めて腑に落ちた。感情が自然に動き、本当の気持ちが引き出される。もう楽しくてしょうがない」と笑顔を見せた。

　また、松本は「第2話まで見ると第1話をもう一度見たくなる。答え合わせができるような作品なので、TVerならではの楽しみ方をしてほしい」と語り、安田も「繰り返し見ていただければ」と呼びかけた。

松本まりか（海野真夏役）×安田顕（空知時夢役）コメント

鈴木おさむが描く世界について

安田顕（以下、安田）：おさむさんの脚本は初めてですが、とにかくドロドロした“びっくり玉手箱”というか。よくこんなシチュエーションを思いつかれるなと思います。読んでいる分にはとても面白いんですが、演じるのは大変です（笑）。“びっくり玉手箱”に上乗せしちゃうと、コントになってしまう。こちらが真剣にやればやるほど、きっと視聴者のかたは喜んでくれると思うのですが、「真剣にやりましょう」というのが難しいですよね……どうですか？

松本まりか（以下、松本）：そうですね。おさむさんにしか描けないアイデアが詰まっているので、脚本を読んだときに感じたこの面白さを、それ以上にして視聴者のかたにお渡しするのが私たちの役目で。ちゃんと人間にして、立体にして、“脚本の面白さ”や“台詞のキャッチーさ”に説得力を持たせることが大事なので、もう本当に必死です。おさむさんの脚本よりも面白く、いや最低限、読んだときと同じくらいの面白さをお届けしないと、という気持ちがあるので、試行錯誤しながら、安田さんにもたくさん相談させてもらっています。

安田：僕は最初に脚本をじっくりと読まずに、サーッと読むんです。そうすると、“びっくり玉手箱”のところがすごく目立つので「あははは」と笑っているけれど、現場に入ると、その点と点を線にしなければいけない。点と点は面白いけれど、それをどう結んでいくのか。それを線にしていく作業が大変なんだなと思いますね。

松本：おさむさんの脚本はとても面白くて、ほかにない分、私たちに課せられたハードルはすごく高いと思います。だからこそ、これを乗り越えられたら、すごく演技がうまくなるんじゃないかなって（笑）。ちょっと見たことのない世界に行きたいな、と思いますね。

『奪い愛』の魅力

松本：一回見たら「『奪い愛』ってこういうものなんだ」と、とても分かりやすく入ってくる。とにかくドロドロしていて、なんだか面白くて、それこそ“びっくり玉手箱”ですよね。「見ていれば、何か面白いことがある」と思えるような、すごく力を持った作品だと思います。姉妹シリーズも含めて、今までの作品にもおさむさんらしさが色濃く出ていますが、もうこれ以上はないだろうと私は思ったんです。（『奪い愛、真夏』は）最新作なので、“びっくり玉手箱”以外の面白さも提示したいなと。もちろん、『奪い愛』の良さも保ちつつ、新しい面白さを安田さんと作っていけたらいいなと思っています。

安田：ありがとうございます、頑張ります。それにしても『奪い愛、冬』から約8年ぶりですか……もしも時が戻せるなら、「8年前に出たかったな」とは思いますね（笑）。その頃はまだ43歳だし、とは思いますが、今、呼んでもらえたということは、おそらく“今”なんだろうなと解釈しています。やっぱり大人気シリーズですし、すごくインパクトがありますよね。『奪い愛、冬』『奪い愛、夏』のあとには『殴り愛、炎』というのもありましたから。松本さんがうまいこと伝えていますが、要はエスカレートしているぞと（笑）。その後に『奪い愛、高校教師』もありましたが、ちょっと原点に戻りませんかと。もう少し大人も楽しめる、「分かる、分かるよ」と思えるような“ドロキュン”を描いていく。普通はキュンキュンなのか、ドロドロなのか、どちらかですが、ドロとキュンを合わせて原点に戻ろうじゃないか、ということだと思います。

お互いの印象

安田：松本さんは主役で、主役というのはやっぱり作品を背負うわけですから。「自分にとっての代表作にしたい」という思いは絶対にあるわけなので、諦めないし、本当に向き合ってくださる。「心の奥底から、今ちゃんとお芝居ができているのか」というところを譲らずにやっていく姿勢が素晴らしいですね。周囲が松本さんという俳優さんに惹かれる理由のひとつだと思います。そういう方とお芝居ができて、すごく楽しいです。本当に感謝していて、クランクアップのときには「最後まで向き合ってくれて、諦めないでくれて、ありがとう」と言おうと決めているんです。

松本：どうしよう、諦められない（笑）。

安田：（笑）。（撮影は）すごく充実していて、いい意味での疲労感がありますね。すごく楽しいことって、どれだけ大変でも大変だと思えないというか。ちゃんとお芝居しようとしてくださることがすごくありがたいし、うれしいです。「楽しいな」と思えると、いくらでも頑張れる。松本さんとお芝居していると、そういうことをすごく感じますね。

松本：安田さんがいらっしゃったのはクランクインから3日目でしたが、それまではトリッキーな台詞やハードルの高いシーンをつなげることがなかなかできなかったんです。かといって、「ウソをついてやることは絶対しないようにしよう」と思っていて。感情がちゃんと動かなければ、絶対に視聴者のかたには伝わらない。どんなにトリッキーな台詞でも、自分が本当にそう思えなければ言いたくないと思っていました。すごく悩んでいたけれど、安田さんと一緒にやったときに初めて腑に落ちたんですよね。ものすごく自然で、すべてを受け止めてくださって。それに安田さんとやっていると、自分の中のいろいろな“本当”が引き出されるというか。「こういう気持ちだったんだ」と、脚本を読んだときには考えていなかったような気持ちにさせてくれる。でも、それは本当の気持ちなんですよ。いつもいつも“本当”のやりとりができるので、幸せな時間です。もう楽しくてしょうがないです。

安田：（深々とお辞儀をして）いやいや。松本さんとお芝居していると、「100点じゃなくていいな」と思っちゃうんですね。何回も同じことを繰り返すんですが、相手の芝居が変わると、全部が微妙にズレてくるんですよ。それが心地よくて。だから、そこがバッチリ決まらなくてもいいんじゃないかな、常に100点である必要なんかないんじゃないかな、と思うんです。お互いにお芝居していると、「ああ、そうか、こういう意味だったんだ」と楽しくなってきちゃったりもして。そういう瞬間があることが、本当にありがたいなと思います。

繰り返し見てほしい、思い入れのあるシーン

松本：これはちょっとネタバレになってしまうので言えないのですが、第2話まで見ると「第1話のシーンをもう一度見てみたい」と思うところが出てくると思うんですよね。照らし合わせて、答え合わせができるような作品なので、「このときは……」と少し戻って見る。そんなTVerならではの楽しみ方があると思います。それから第3話では、結構グッとくるシーンを撮っていて、1年前の『夫の家庭を壊すまで』（テレ東）を見ていた方には特に楽しんでいただけると思うので、ぜひご覧いただきたいと思います。

安田：TVerでは繰り返し見ることができますからね。水野美紀さんはどうなんですか？

松本：面白いですよー。本当に間違いないです。水野さんが出てきたら、これは『奪い愛』と名乗っていいだろうというくらい、『奪い愛』には欠かせない人物ですね。

安田：『奪い愛』の代名詞なんだ。“水野・奪い愛・美紀”なんだね。

松本＆安田：“水野・奪い愛・美紀”。

安田：ぜひ繰り返しご覧ください。

■放送情報
金曜ナイトドラマ『奪い愛、真夏』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15～24:15放送
出演：松本まりか、安田顕、高橋メアリージュン、森香澄、白濱亜嵐、石井正則、石山順征、谷原七音、水野美紀
脚本：鈴木おさむ
演出：樹下直美、上田迅
ゼネラルプロデューサー：横地郁英（テレビ朝日）
プロデューサー：川島誠史（テレビ朝日）、神通勉（MMJ）、小路美智子（MMJ）
音楽：沢田完
制作：テレビ朝日、MMJ
©テレビ朝日
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