『DOPE』異能力を巡り揺らぐ親子の絆と“椿”忍成修吾の死 西島秀俊のサプライズ出演も

『DOPE』異能力を巡り揺らぐ親子の絆

 莉子は自らの意思で木下に謝罪するが、家族を失った者の心が簡単に癒えるはずもない。葛城もまた、父として自責と向き合いながら誠意を尽くす。その一方で、物語は静かに、しかし決定的な転換点を迎えることになる。ジウは美和子(真飛聖)のもとを訪れ、娘・結衣(蒼戸虹子)の命を救えるのは、ヒーリングの力だけだと告げる。結衣の心臓は限界を迎えており、医師からは「持って3年」と余命を宣告されていた。再び手渡されたDOPEと揺れる母の心。救いの力は、同時に自身の命を蝕む毒でもあるのだ。

 第4話は、能力と感情、倫理と復讐が複雑に絡み合いながら、登場人物それぞれの“信じるもの”が試される回だった。莉子は正義のために罪を背負い、木下は復讐の果てに自分自身と葛藤する。そして葛城は、父としての贖罪を受け止めながら、娘を守るための正しい判断とは何かを模索し続ける。

 ラストにかけて待っていたのは椿(忍成修吾)の死。彼が持っていた情報と立ち位置を考えれば、その離脱は単なる衝撃では済まされない。椿がこの先の鍵を握っていると思っていただけに、このタイミングでの離脱は物語が大きく動いていきそうだ。

 また、今回はもうひとつ静かな驚きもあった。祖母の介護に疲弊する綿貫(新木優子)の父親役として、西島秀俊が“声のみ”で出演。電話越しの短いやりとりではあったが、その声が物語にもたらす緊張感と余韻は圧倒的だった。今後、ストーリーが進行する中で実際に登場する可能性も含め、重要な鍵を握る存在になりそうだ。

『DOPE 麻薬取締部特捜課』の画像

金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』

木崎ちあきが手掛けた同名小説を原作を実写化した麻取アクション・エンターテインメント。謎に包まれた新型ドラッグ“DOPE”が蔓延している近未来の日本で、正反対のバディがDOPEによって巻き起こる不可解な事件の解決に挑んでいく。

■放送情報
金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:髙橋海人、中村倫也、新木優子、三浦誠己、豊田裕大、久間田琳加、忍成修吾、入山法子、佐野和真、蒼戸虹子、小池徹平、真飛聖、伊藤淳史、井浦新
原作:木崎ちあき『DOPE 麻薬取締部特捜課』シリーズ(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:田中眞一
演出:鈴木浩介ほか
プロデュース:長谷川晴彦、佐藤敦司
音楽:内澤祟仁
主題歌:Uru「Never ends」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
挿入歌:King & Prince「I Know」(UNIVERSAL MUSIC)
編成 :杉田彩佳、松本友香
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DOPE_tbs/
公式X(旧Twitter):@dope_tbs
公式Instagram:@dope_tbs

 

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