『放送局占拠』“大和”菊池風磨×妖の関係性は考察の重要なポイント 般若が明かしたねらい

『放送局占拠』大和と妖の関係性

 面をつけた武装集団“妖(あやかし)”によってテレビ局の建物が占拠され、例によってそれに巻き込まれる武蔵(櫻井翔)。同じように局内にいた妻・裕子(比嘉愛未)と娘・えみり(吉田帆乃華)、そして和泉(ソニン)と合流するのだが、そこに現れた“天狗”に襲われ、和泉は致命傷を負ってしまう。もはや武蔵に訪れるピンチがピンチだとカウントされないかのように、彼の身近な人物へと危機が迫る『放送局占拠』(日本テレビ系)。7月19日放送の第2話はまだまだ序盤ということもあり、その全容こそ見えてはこないが、これまでの『占拠』シリーズと同じ方法論で進んでいくことが示された点は注目すべきところであろう。

 まだ顔を隠したままの“妖”の面々は、うまく建物の外へ逃げることに成功したえみりを除く3人を捕まえると、他の人質たちが待機しているスタジオへと連行する。そこでリーダー格である“般若”から「一緒に命をかけて番組を作ること」を要求される武蔵。妖たちは“出演者”として13名の人質を選び、残り全員をあっさりと解放。マスコットの着ぐるみに入れられて外へ出された武蔵は、妖たちの指示に従って“取材”することを余儀なくされるのである。

 もちろんこの“取材”というのは、前2作で武蔵がやってきたことと同じであろう。妖たちは生放送の番組のなかで、「葬られた闇を白日のもとにさらす」として都知事選候補の三河(北代高士)を、バラエティ番組ではおなじみの“熱湯風呂”を改造した装置に乗せ、武蔵にその“闇”を調べさせる。こうしたユニークな拷問装置は『新空港占拠』(日本テレビ系)でも度々登場したものであり、ターゲットの人質が耐えられる時間を志摩(ぐんぴぃ)が計算することで制限時間が決まるというのも同様だ。いずれにしても、今回の場合はテレビ局にあるものを少し改造するだけで装置が完成する点で、前作よりも合理的かもしれない。

 ところでその生放送、『大病院占拠』(日本テレビ系)における“百鬼夜行ちゃんねる”や『新空港占拠』における“獣ちゃんねる”といった動画配信サイトと打って変わり、テレビ放送の電波を通して発信する点で、これまでよりも公的かつ手の込んだ複雑なものになっているのは言わずもがな。それでも妖たちは人質のなかからスタッフを残し手伝いをさせ、事前にテロップも用意し、ディレクターさながらに的確な指示を出していく。ここから見えてくるのは、おそらく妖のなかにはテレビ局での番組づくりに携わったことがある者が含まれているということだろう。

 もちろん前2作でも、占拠現場に対する因縁を持った者たちが徒党を組んでいたのだから、これは当然といえば当然のこと。そのうえで気になるのは、なぜ彼らが武蔵にこだわるのか。それこそ『大病院占拠』では武蔵が休職する前に関わった事件の因縁があったわけだし、その関係者であり“鬼”のリーダーだった大和(菊池風磨)が明確に裏で糸を引いていた『新空港占拠』では、警察関係者が武装集団に加わっていたり、武蔵の生き別れの兄の存在が深く関わったりもしていた。

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