『あんぱん』“釜次”吉田鋼太郎の穏やかな最期 「よさこい節」が象徴する温かな絆に涙

東海林(津田健次郎)との対話を経て、自身の進むべき道を模索していたのぶ(今田美桜)。そんな彼女のもとに、祖父・釜次(吉田鋼太郎)の体調が思わしくないという知らせが届く。
心配の中で帰省した朝田家で、のぶは釜次から「本当はどうしたいんだ」と問いかけられ、改めて自分の思いと向き合うことに。『あんぱん』(NHK総合)第79話では、病を前にした祖父・釜次とのぶたち朝田家の面々が交わす、心の奥底に触れる対話が中心となった。命の時間を意識しながらも、笑いとユーモア、そして思いの継承によって繋がっていく家族の姿が、温かくも切実なトーンで描かれる1話となった。

釜次の体調悪化の知らせを受け、急ぎ朝田家に帰ってきたのぶたち。深刻な病かと思いきや、本人はどこか元気そうに振る舞い、「咳ぐらい大したことない」とばかりに笑って見せる。しかし、その咳の頻度と深さは、釜次の肺の弱りを如実に物語っており、家族の不安はぬぐえない。
一方で、のぶは鉄子(戸田恵子)から誘いを受けたものの、記者として活動していくことを家族に話すも、釜次からの「本当にそうか?」という問いに即答できない。ここで問いかけられているのは、“誰かに言われたから”ではなく、“自分が心から望んでいるのかどうか”ということだ。のぶの中にある迷いが、浮き彫りになる瞬間だった。




















