藤木直人、“キャリア30年目”で魅せる俳優像 『花より男子』から『最後の鑑定人』へ

藤木直人、キャリア30年目で魅せる俳優像

 藤木が映画『花より男子』(1995年)で俳優デビューを果たしてから、2025年で30周年らしい。超話題作となった同作の公開によって藤木はたちまち若手人気俳優の中心的な存在となり、俳優人生の好スタートを切った。その数年後には朝ドラ『あすか』(1999年度後期/NHK総合)でヒロインの相手役を務め上げ、この時期の前後に『GTO』(1998年/カンテレ・フジテレビ系)や『ナースのお仕事』シリーズ(2000年/フジテレビ系)、『ラブ・レボリューション』(2001年/フジテレビ系)といった人気作に立て続けに出演。この頃にはすでに確固たるポジションを築き上げていた。1990年生まれの筆者はこの当時はまだ小学生で、テレビドラマや俳優に詳しいわけではなかった。が、藤木の存在は認識していたものだ。

 そんな私が彼の存在を強く意識するようになったのは、気鋭の若手女性俳優たちが集った『ギャルサー』(2006年/日本テレビ系)だった。同作で藤木は颯爽と渋谷の街に現れるカウボーイという突飛にもほどがある役どころを演じ、「クセツヨ」という言葉では言い表すことのできないような個性的なキャラクターをもモノにしていたものだ。穏やかな振り切れ具合に感動すらしたほど。その2年前には感涙必至のヒューマンドラマ『愛し君へ』(2004年/フジテレビ系)で視力を失いゆくカメラマンを力演していたのだから、なおさらである。

 いまではクセツヨなキャラクターも完全に板につき、この手の役どころをまっとうできる俳優のひとりだと広く認識されているのではないだろうか。しかしこれを別の言い方で表現するならば、藤木が『最後の鑑定人』で土門誠を演じることに“真新しさはない”というものでもあるし、さらに言い換えるならば“安定している”とも表現できる。だからこそ、今作ではどう魅せてくれるのかが気になるところなのだ。佇まいはスマートだが、言動の一つひとつはかなりのクセツヨ。“藤木直人=土門誠”の一挙手一投足から目が離せないのである。

『最後の鑑定人』の画像

最後の鑑定人

岩井圭也の同名小説を原作としたサイエンスミステリー。かつて科捜研のエースとして活躍し“最後の鑑定人”と呼ばれていた主人公が、科学的アプローチを駆使して難事件を解決に導いていく。

■放送情報
『最後の鑑定人』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:藤木直人、白石麻衣、迫田孝也、中沢元紀、阿部亮平、栗原類、松雪泰子ほか
原作:岩井圭也
脚本:及川拓郎、山崎太基、北浦勝大、青塚美穂
主題歌:矢沢永吉「真実」(Z+MUSIC/UNIVERSAL SIGMA)
音楽:橘麻美
演出:水田成英(FCC)、谷村政樹、清矢明子
プロデューサー:石原未菜、宮木正悟、郷田悠(FCC)
プロデュース協力:渡辺良介(大映テレビ)
制作協力:FCC
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/saigonokanteinin/
公式X(旧Twitter):https://x.com/kanteinin_fuji
公式Instagram:https://www.instagram.com/kanteinin_fuji/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@kanteinin_fuji

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる