ダニー・ボイル「“体験していない世代”がもたらす物語」 『28年後...』に込めた思いを明かす

『28年後...』ダニー・ボイルが舞台設定語る

 6月20日に日米同時公開される映画『28年後...』の監督を務めたダニー・ボイルのコメントが到着した。

 本作は、人間の脳を破壊し、凶暴化させるウイルスが蔓延したロンドンを舞台に、生き残ったわずかな人間たちが感染者と死闘を繰り広げるサバイバルホラー『28日後...』(2002年)と、その続編となる『28週後...』(2007年)の『28』シリーズ第3弾。恐怖の感染拡大から28年後の新たな物語が描かれる。 

 ボイルが脚本家のアレックス・ガーランドと共に、本作でウイルスが蔓延してから“28年後”を舞台に描いた理由について、「私たちには世代があり、何か現実の出来事が起こったとき、それ以前のことを、完全に記憶している人、記憶するすべを持たない人、そしてその中間の人たちがいる。この物語はそこから生まれたんだ」と作品に込めた思いを明かした。

 ウイルスが蔓延してから28年後という舞台が何を意味するのかについて、2人は多くの時間を費やし、議論を重ねたという。ボイルによると、「ウイルスが蔓延する前の世界を、ある人にとっては鮮明な最近の記憶にし、ある人にとってはほとんど神話的な歴史、つまりその人が生まれる前の、体験したことがない出来事にしたかった」とコメント。そんな現実に起こりうる未来を暗示した本作だが、“家族”にフォーカスを当てた物語としても描かれており、ボイルは「この物語は生き残ろうとする国家や世界についての物語であると同時に、ただ幸せになりたいと願う小さな家族の物語でもある」と語る。

 本作で主人公ジェイミーの息子・スパイクは、感染拡大後に生まれ、感染者のいない安全な世界を知らずに育ってきた。アーロン・テイラー=ジョンソン演じる経験豊富なサバイバーである父ジェイミーに鍛え上げられたスパイクは、ある“極秘任務”を実行するため父と共に感染者にあふれた危険な本土へと向かう。ボイルは、「スパイクは12歳で、隔離された世界の外を知らずに育ってきている。彼は感染者から守られて生きてきたが、外の世界の危険を学ばなければならない年齢になってきている」と言及。荒廃した世界を必死に生きる父子は、一体どんな恐怖を味わうのか。

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■公開情報
『28年後...』
6月20日(金)全国公開
出演:ジョディ・カマー、アーロン・テイラー=ジョンソン、ジャック・オコンネル、アルフィー・ウィリアムズ、レイフ・ファインズ
監督・プロデューサー:ダニー・ボイル
脚本・プロデューサー:アレックス・ガーランド
エグゼクティブ・プロデューサー:キリアン・マーフィー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:https://www.28years-later.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/28YearsLaterJP

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