『隠し味にはロマンス』視聴者必見! 『椿の花咲く頃』など“美味しい”韓国ドラマ3選

“美味しい”韓国ドラマ3選

 5月12日からNetflixで配信されている『隠し味にはロマンス』が好調のようだ。日本のNetflixの「今日のTV番組TOP10」でも常にランキングしているが、韓国の放送局(ケーブルテレビ局ENA)でもぐんぐん視聴率を上げている。1話目は1%台からスタートしたが、5話目では3.4%に上昇した。

 韓国では「ご飯食べた?」という言葉が挨拶のように使われるが、韓国ドラマにも料理や食べることをテーマにした作品が多い。最近はあまり耳にしなくなったが、そうした作品はモッパン(韓国語で、食べる+放送の造語)ドラマと呼ばれることもある。

 『隠し味にはロマンス』もその名の通り、“食”がドラマのポイントになっている。舞台となるのは、韓国を代表する食の都として知られる全州。後継者争いをする兄に窮地に追い込まれた大手食品会社の御曹司ハン・ボム(カン・ハヌル)が、全州で小さな食堂を営むシェフのモ・ヨンジュ(コ・ミンシ)と出会うことから物語が動き出す。

 これまでのモッパンドラマに比べると、今のところ“食”のシーンが少なめな気もするが、ヨンジュが料理に腕を振るうシーンやその素晴らしい出来栄えに、思わず目がいく視聴者も多いだろう。みんなでワイワイ食べる場面も含め、“食”にまつわるシーンが美しいのは、韓国ドラマのひとつの特徴でもある。

 今回は、そんな本作の面白さが増すような“食”のシーンが見応えのある作品をいくつか紹介しよう。

『椿の花咲く頃』

『椿の花咲く頃』予告編 - Netflix

 1作目は、同作のカン・ハヌルの初主演作である『椿の花咲く頃』。この作品は、カン・ハヌル扮する主人公が、小さなお店を営む女性と出会うという展開も似ていているので、見比べてみるのも楽しいかもしれない。

 『椿の花咲く頃』は、地方の街にやってきたシングルマザーのオ・ドンベク(コン・ヒョジン)と正義感たっぷりの警官ファン・ヨンシク(カン・ハヌル)のヒューマン・ラブコメディだ。連続殺人事件も絡んで、ほっこりした笑いとサスペンスと感動と胸キュンが混在した奇想天外な物語が繰り広げられていく。

 純粋に“食”をテーマにした作品ではないが、舞台となるのは日本でも人気の韓国料理カンジャンケジャンの店が並ぶ通り。ドンベクが営むスナックでも、さりげなく韓国の地方料理が登場する。また、殺人事件の鍵を握るシーンで食通も知らないような韓国料理が出てきたり、キンパプがドンベクの人生の悲しみの象徴として使われていたりと、“食”に注目しながら本作を見ると、違った角度からドラマを楽しめる。

『天地人~チョンジイン~』

韓国ドラマ「天地人~チョンジイン~」

 『天地人~チョンジイン~』も、料理のシーンが美しい韓国ドラマとして外せない一作だ。あまり知られていないが、隠れた名作といえる。14年前(2011年制作)の作品だが、その料理のシーンの美しさは『隠し味にはロマンス』に通じるものがある。

 物語の舞台は、山奥の隠れ家的な韓屋の食堂「天地人」。過去の記憶に引き寄せられるように現われたヤクザのキ・ホテ(ソン・イルグク)と、食堂を営む家族の物語が綴られていく。

 復讐三部作(『復活』『魔王』『サメ ~愛の黙示録~』)の監督と脚本家が手掛けた作品だけに、一見ハートウォーミングなドラマのように見えてサスペンス要素も強い。今のドラマに比べるとテンポが若干ゆったりだが、飽きずに楽しめるはずだ。「朱蒙〔チュモン〕」などの英雄役で知られるソン・イルグクが、ヤクザ役を務めているのも見どころである。

 本作には素朴な韓国料理がたくさん登場するが、その中心に描かれるのはキムチ。毎話、いくつかキムチが紹介されるが、このドラマを観ると、韓国のキムチはこれほど彩り豊かで、これほどの種類があるのかと驚かされるだろう。トントントンとキムチを切るシーン、中庭の縁台に置かれた食卓に並ぶ韓国料理、それを囲む人々の和やかな表情など、本作の“食”の場面はどれも感動的だ。

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