『あんぱん』豪を喪った蘭子の優しさが胸を打つ のぶの縁談を知った嵩の恋の行方は

『あんぱん』蘭子が見せた優しさに涙

 戦争という抗えぬ時代のうねりの中で、誰かを思う気持ちもまた、ままならないものになる。5月22日放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』第39話では、豪(細田佳央太)の訃報をきっかけに、それぞれの登場人物が「正しさ」と「大切な人」について向き合い始める。

 豪の戦死を知らせる一通の手紙が、彼を知る人々の心に静かに波紋を広げていく。

「どこが立派なんがんで」

 のぶ(今田美桜)は、戦死を“美化”するような言葉に疑問を抱く蘭子(河合優実)の思いを正面から受け止め、自らの中にあった迷いに向き合おうとしていた。

 一方そのころ、嵩(北村匠海)のもとにも千尋(中沢元紀)から手紙が届く。そこには、豪の戦死、そしてのぶに縁談の話が持ち上がっていることが綴られていた。未だにのぶに思いを伝えられていないどころか、以前よりも距離が広がっている現状に、嵩は焦りを募らせる。このままでは、きっと後悔が残ってしまう。そう感じた嵩にとって、この知らせは、動くべき最後のタイミングにも思えた。

 のぶのもとには、その後も縁談の話が毎日のように舞い込んでくる。教員としての立場や人柄を見込んでのことか、それとも戦時下という時代の空気がそうさせるのか。本人の気持ちとは裏腹に、“将来”が次々と押し付けられていく。そんな中、朝田家には次郎(中島歩)がのぶの写真を持って訪ねてくる。そこには穏やかで、幸せそうな表情をしたのぶの姿が写っていた。だが次郎の訪問の目的は、ただ写真を届けるためではなかった。

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