『べらぼう』片岡愛之助、鱗形屋孫兵衛への思いを語る 「すごく人間くさい人物だった」

毎週日曜日に放送されているNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』。第19回が最後の出演回となった片岡愛之助のインタビューコメントが公開された。
本作は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・蔦屋重三郎(蔦重)を主人公とした笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマ。舞台は、文化隆盛の江戸時代中期。蔦重は、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見出し、日本史史上最大の謎のひとつ“東洲斎写楽”を世に送り出す。日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても“面白さ”を追求し続ける。
主人公・蔦屋重三郎役で横浜が主演を務め、『おんな城主 直虎』(NHK総合)、『大奥』(NHK総合)などの森下佳子が脚本を手がける。
片岡が演じるのは、蔦重(横浜流星)にとって本屋商売の“師”であり、業界最大の“敵”である鱗形屋孫兵衛。大人向けの絵本・黄表紙『金々先生栄花夢』で黄表紙のパイオニアとなった江戸を代表する日本橋(いまの中央区)や深川(いまの江東区)の地本問屋の主。蔦重に初めて本格的な本づくりの仕事を任せるなど、商売の基礎を指南するが、やがて蔦重が本格的に本屋業に乗り出すと一転、ライバル関係となり、激しい争いを繰り広げていく。
片岡は演じた鱗形屋孫兵衛について、「鱗形屋さんはすごく先見の明があると思います。いろんなことが上手いんだけど、ただ一つ、商売が下手(笑)」と分析。悪事を働いてしまったことについても「こちらから見るとものすごい悪人に見えるけど、違う角度から見ると『この人がいるから成り立っている』みたいな感じって、今の社会でもどこでもあるわけです。彼も悪いことをやろうと思ってやっていたわけではなく、すごく人間くさい人物だったと思いました」と考えを述べた。
片岡愛之助(鱗形屋孫兵衛役)コメント
第19回の蔦重と和解するシーンがクランクアップとなったことについて
なんだか感動しました。最初からずっと蔦重の成長の物語で、彼が何者でもないところから驚異的な存在になってくるわけですから。いろんな思いがあったということを蔦重本人に伝えられて、僕の中ではいいシーンになったと思いましたし、クランクアップがあのシーンで良かったと思いました。
片岡が思う「鱗形屋孫兵衛」とは
鱗形屋さんはすごく先見の明があると思います。いろんなことが上手いんだけど、ただ一つ、商売が下手(笑)。ものすごいことをやるんだけど、自分の店は全然売れてないという。やっぱりこの時代みんな生き抜くことはとても難しい。こちらから見るとものすごい悪人に見えるけど、違う角度から見ると「この人がいるから成り立っている」みたいな感じって、今の社会でもどこでもあるわけです。彼も悪いことをやろうと思ってやっていたわけではなく、すごく人間くさい人物だったと思いました。
印象に残っているシーンについて
牢屋に入れられたシーンですね(笑)。捕まって、しばかれて……これはしばかれる人がうまくないと痛々しくも見えないし、難しいんです。歌舞伎でも刀で斬る役はあっても、斬られる役をやることがほぼないので、やられるということの難しさがわかって、勉強になりました。
『べらぼう』を去ることについて
とても寂しいですね。これから先どうなるのか、僕も台本をもらってないので知らないんです。蔦重がどういうふうな足がかりでメディア王になっていくのか、皆さんと一緒に楽しみながら見守りたいと思います。
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
NHK 総合にて、毎週日曜20:00〜放送/翌週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK

































