福山雅治、『長崎―閃光の影で―』主題歌をプロデュース 「クスノキ」を菊池日菜子らが歌唱

『長崎―閃光の影で―』主題歌は福山雅治楽曲

 7月25日に長崎先行公開、8月1日に全国公開される、菊池日菜子の初主演映画『長崎―閃光の影で―』の主題歌のプロデュース・ディレクションを福山雅治が担当することが発表された。

 原爆被爆者を救護した日本赤十字社の看護師たちが被爆から35年後にまとめた手記『閃光の影で-原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記-』を基に脚本が執筆された本作は、1945年の夏、原爆投下直後の長崎を舞台に、3人の10代の少女たちがあの夏に体験した物語が紡がれる。

 長崎出身で被爆3世である松本准平が監督を務め、日本赤十字社の看護学校に通う17歳の田中スミを菊池、その学友の大野アツ子を小野花梨、岩永ミサヲを川床明日香が演じる。

 本作の主題歌は、福山雅治が2014年に発表した楽曲「クスノキ」を菊池、小野、川床が歌唱した「クスノキ ―閃光の影で―ver.(仮)」に決定。福山が松本監督から「祖父たちの被爆体験を受け継ぎ平和を次世代に伝えるべく、映画のエンディングを飾る主題歌を福山さんに担当していただきたい」というオファーを受け、本作のために新たにアレンジした。

 楽曲「クスノキ」は、爆心地から800メートルの地点で被爆し、一時は枯死寸前となりながらも驚異の生命力で今もなおたくましく生き続ける長崎市・山王神社の“被爆クスノキ”が題材となったもの。福山は2020年より被爆クスノキの存在を未来へつなぐため、総合プロデューサーとして長崎市と共に「クスノキプロジェクト」を立ち上げ、被爆樹木の保全や苗木の育成、平和学習の支援などを通じて、命の逞しさと平和の尊さを伝える活動にも尽力している。

 主題歌となる「クスノキ―閃光の影で―ver. (仮)」は、福山がプロデュース・ディレクションを行い、菊池、小野、川床3人の歌唱をレコーディング。また、楽器には明治期に製造され、第一次及び第二次世界大戦の戦火を乗り越えて生き続けるヴィンテージオルガンを使用した。

 福山は主題歌について「スミ、アツ子、ミサヲとしてそれぞれ当時の役を生きた菊池さん、小野さん、川床さんの三人にしか表現できない『生命の叫び』をレコーディングすることができました」とコメントを寄せている。

 また、スミが生き続けていく力となる言葉を授ける人物・南原令子役で南果歩の出演が発表された。さらに、本作の原案である手記に体験を寄せた元看護学生のひとりである山下フジヱさんが特別出演する。山下さんは15歳の時に被爆者救護に尽力し、同書に手記を寄せた唯一の生存者。山下さんが綴った体験は松本監督の心に強く残ったといい、本作中のエピソードとして取り入れられた。そして、その山下さんの思いを語りとして声で体現する語りを美輪明宏が担当する。10歳の時に長崎市の自宅で原爆を体験した美輪の出演は、松本監督の強い希望により実現した。そのほか、水崎綾女、渡辺大、田中偉登、加藤雅也、有森也実、萩原聖人、利重剛、池田秀一らの出演も決定した。

映画『長崎-閃光の影で-』予告

 公開された予告編は、太平洋戦争末期の1945年、日本赤十字社の看護学校に通う17歳の田中スミ(菊池日菜子)、大野アツ子(小野花梨)、岩永ミサヲ(川床明日香)の3人が空襲による休校のため長崎へ帰郷し、故郷での過ごし方を笑顔で語り合う場面から始まる。

 戦時下ながらも、それぞれに平穏なひとときを過ごしていた3人。しかし、8月9日午前11時2分、スミは祖母の家へ向かうバスの中で、突然の閃光と爆風に襲われる。原子爆弾が投下された長崎市街は、一瞬にして廃墟と化してしまう。その中で未熟ながらも看護学生として救護活動に取り組もうとする3人だったが、彼女たちの眼前には非情な現実が広がっていた。自ら志願して救護トラックに乗り込んだものの、恐怖で足がすくみ動けなくなり、先輩から「日赤ん看護婦やろ? しっかりせんね!」と叱咤をうけるスミ。家族の無事を確かめようと、自宅跡に戻り、声の限り母を呼ぶアツ子。医療態勢もままならない状況下で行われる緊急手術の患者を、必死に押さえようとするミサヲ。

 終戦を迎えた後も懸命の活動が続いたが、多くの人が次々と命を落としていくのを目の当たりにし、3人は押し殺していた気持ちを徐々に抑えきれなくなっていく。人一倍強い信念を持つアツ子と、クリスチャンとしての信仰と現実の間で葛藤するミサヲの思いがぶつかり、激しい口論を繰り広げる中、その様子をただ見つめることしかできないスミ。映像の終盤では、スミが、長く胸に抱え続けていた想いを、堰を切ったように吐き出していく。

 あわせて、原爆投下直後から3人の看護学生が、戸惑いながらも負傷者の救護に奔走する姿を捉えた新場面写真も公開された。

福山雅治(主題歌プロデュース・ディレクション)コメント

このたび、『長崎―閃光の影でー』主題歌のプロデュース・ディレクションを担当させていただき、大変光栄に思います。
レコーディングでは、スミ、アツ子、ミサヲとしてそれぞれ当時の役を生きた菊池さん、小野さん、川床さんの三人にしか表現できない『生命の叫び』をレコーディングすることができました。
映画の中では多くの命が失われますが、作品の最後に「命の目撃者、魂の代弁者」である彼女たちの歌声が響くことで、「魂は奪われない」というメッセージに昇華されたと感じました。

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■公開情報
『長崎―閃光の影で―』
7月25日(金)長崎先行公開、8月1日(金)全国公開
出演:菊池日菜子、小野花梨、川床明日香、水崎綾女、渡辺大、田中偉登、呉城久美、坂ノ上茜、田畑志真、松尾百華、KAKAZU、加藤雅也、有森也実、萩原聖人、利重剛、池田秀一、山下フジヱ、南果歩、美輪明宏(語り)
原案:『閃光の影で―原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記―』(日本赤十字社長崎県支部)
監督:松本准平
脚本:松本准平、保木本佳子
主題歌:「クスノキ ―閃光の影で― ver.(仮)」(アミューズ、Polydor Records)(作詞・作曲:福山雅治/編曲:福山雅治、井上鑑/歌唱:スミ(菊池日菜子)、アツ子(小野花梨)、ミサヲ(川床明日香))
企画:中村佳代
プロデュース:鍋島壽夫、マーク服部
製作幹事:AMGエンタテインメント、SKY CASTLE FILM
制作プロダクション:SKY CASTLE FILM、ふればり
配給:アークエンタテインメント
©2025「長崎―閃光の影で―」製作委員会
公式サイト:nagasaki-senkou-movie.jp

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