『恋は闇』岸井ゆきの×志尊淳の破滅的な選択 “過程”に向き合う2人の記者が見せた矜持

被害者遺族を取材するということに対するマスコミの意義を理解しながらも、カメラを向けること=暴力であると葛藤する万琴。取材拒否といわれても諦めず、葬儀に出向いて手を合わせ、香典に手紙を添えて取材を申し込むという「真っ当なやり方」をもって取材対象への敬意を示す。そしてたどり着いた、花邑百合子の両親への取材。事件現場である家に、両親も事件後初めて入るというその瞬間に立ち会い、許可を得ながらカメラを構え続ける。神妙な面持ちの設楽と、話を聞くうちに込み上げてくる感情に耐えきれず、カメラを下ろそうとしてしまう万琴。そっとそれを支えてくれる設楽。

結局、取材した内容は人の目にさらされる機会を逸してしまう。“鮮度”が重視される報道の場で、しょうもない芸能スキャンダルが優先され差し替えられるのだ。そして「埋もれる」という言葉のあやで、取材対象者である遺族を傷付けてしまった後悔と、取材という“過程”に真摯に向き合っても、世に出されるという“結果”にたどり着けないもどかしさがあふれ出る、橋の上でのシーン。2人のその直後の行動は、“過程”を重視しても“結果”に届かなかったことへの反動――すなわち両者の間にほんのり芽生えていた恋愛感情を育む“過程”を無視して、“結果”を衝動的にもぎ取ろうとしたものと解釈することができよう。この破滅的な選択を含め、終盤の一連のドラマとしての密度は途方も無いものがある。
『あなたの番です』『真犯人フラグ』の制作スタッフが完全オリジナル脚本で描く“究極の恋愛ミステリー”。主人公・浩暉に次々と浮上する疑惑と、彼を愛したヒロイン・万琴の葛藤を通して、「真実を見抜けるか?」を描いてく。
■放送情報
『恋は闇』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:志尊淳、岸井ゆきの、森田望智、白洲迅、望月歩、小林虎之介、浜野謙太、猫背椿、西田尚美、萩原聖人、田中哲司
脚本:渡邉真子
音楽:末廣健一郎
監督:小室直子、鈴木勇馬
プロデューサー:鈴間広枝、能勢荘志、松山雅則
チーフプロデューサー:道坂忠久
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
©日本テレビ
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