押山清高監督が故郷・福島を描く 「ふくしままっぷ」ブランドムービー『赤のキヲク』公開

福島県総合情報誌「ふくしままっぷ」ブランドムービー 『赤のキヲク』が3月27日正午に特設サイトにて公開された。
本作は、福島県の今と魅力を詰め込んだ総合情報誌「ふくしままっぷ」を、よりたくさんの人々へ届けるために2024年12月に発足した「ふくしままっぷ友の会」の特別企画として誕生したアニメーション作品だ。
監督を務めたのは、劇場アニメ『ルックバック』で米アニー賞ノミネート、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞し、国内外で高い評価を受ける押山清高。 国内興行収入20億円を超え、社会現象を巻き起こした『ルックバック』の後に注目が集まる中、今回手がけた最新作『赤のキヲク』は、自身の出身地である福島県を主な舞台に、主人公の成長を通じて“ふるさと”への想いを描いた作品となっている。
押山監督は、本作においてアニメーションの監督・脚本・キャラクターデザインに加え、アニメーションや背景美術など全ての作画も担当。細部までこだわり抜いた映像表現と、アーティストのeddaと共同制作した歌詞による音楽が融合した一作に仕上がっている。福島にゆかりのある人はもちろん、すべての人にとっての“ふるさと”を想うきっかけとなる作品になっている。
押山監督は、「2011年の東日本大震災当時、私は東京で仕事をしていましたが、福島で被災した家族や大切な人たちのために、何もできなかったという思いがあります。その経験から、東京で創作を生業にできている今の自分の状況は、ある意味で、大切なものの犠牲の上に成り立っているのではないかという気持ちを抱くようになりました。今回の『赤のキヲク』は、そんな自分の中にあるモヤモヤした想いを、何らかの形で吐き出す手段として制作したアニメーション作品です」と今回の作品について説明。また、「私にとって、福島で生まれ育った20年間は、消えることのない多くの原体験を作り上げた時間でした。本作では、そうした自身の実体験をもとに、故郷を離れた一人の女性が、自分の原点を振り返る物語を描いています。福島を知らない方には、その存在を知るきっかけに、また、福島に限らず誰にでもある『自分の原点』に思いを馳せ、忘れかけていた大切な何かを再確認する機会になれば幸いです」とメッセージを寄せている。
メッセージ
押山清高(『赤のキヲク』監督)
昨年、監督した映画の公開を通じて、世界中から大きな反響をいただき、私にとっても特別な一年になりました。
そして、今の自分があるのは、多くの人との関わりや、恵まれた環境があったからこそだと改めて実感することが増えました。
2011年の東日本大震災当時、私は東京で仕事をしていましたが、福島で被災した家族や大切な人たちのために、何もできなかったという思いがあります。
その経験から、東京で創作を生業にできている今の自分の状況は、ある意味で、大切なものの犠牲の上に成り立っているのではないかという気持ちを抱くようになりました。
今回の『赤のキヲク』は、そんな自分の中にあるモヤモヤした想いを、何らかの形で吐き出す手段として制作したアニメーション作品です。
私にとって、福島で生まれ育った20年間は、消えることのない多くの原体験を作り上げた時間でした。
本作では、そうした自身の実体験をもとに、故郷を離れた一人の女性が、自分の原点を振り返る物語を描いています。
福島を知らない方には、その存在を知るきっかけに、また、福島に限らず誰にでもある「自分の原点」に思いを馳せ、忘れかけていた大切な何かを再確認する機会になれば幸いです。
edda(主題歌「赤のキヲク」歌)
この度は、心が暖かくなる素敵な企画に歌唱、作詞にて参加させていただき、とても光栄に思います。
都会で奮闘する主人公と、いつもひっそり見守っている赤べこちゃん。
「いつ帰ったっていい」「いつだって帰ることが出来る」と思ってるとなかなか地元に帰らずに気づけば何年も、、、なんて日を私も過ごしたなあ、なんて思い出しながら、当時の自分にも、そしていま同じように故郷を 離れ頑張る人たちの心に寄り添えるようにと歌いました。
“帰る場所がある”という事実が故郷を遠く離れた土地でお守りみたいに自分を強くしていた。この歌も、「赤の キヲク」を見てくださった人のそんなお守りになってくれたら幸いです。
中島ノブユキ(主題歌「赤のキヲク」編曲・演奏(ピアノ))
数ヶ月前、まだ仮のスケッチ線画状態の動画をいただいたときから不思議な力に心が揺さぶられました。動画の完成に向けて少しずつ画に色がのり躍動してゆく、この押山監督の深い思いのこもった作品に、私自身も突き動 かされながら編曲を仕上げてゆきました。eddaさんの歌の強さに編曲は助けられました。この素晴らしい作品に参加できたことの幸せと責任を感じながら…。
主題歌『赤のキヲク』歌詞(作詞:edda、押山清高)
いまもまだ胸を打つのは
小さなあの目印
その涙のそばにいようか
もう少し話そうか。
遠くなる 今日の日も全部
さみしくならないように
赤色 結んで心を
帰り道を照らしながら
過ぎてしまった風が あまりに
綺麗でも大丈夫さ
力まかせな約束が
僕らを覚えている
言葉なんていつも足りないけど
必ず、思い出せる。
赤色 包んで心を
呼ぶ声が聞ける日まで
赤色 結んで心を
帰り道を照らしながら
■公開情報
ブランドムービー『赤のキヲク』
特設サイト(https://fukushimamap.jp/special)にて公開中
監督・脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン・作画・背景美術:押山清高
色彩設計・色指定・検査:末永康子
仕上げ:Wish(岡宮志帆、周藤宏太、水澤紘介、今本滉紀、新井遥華、森田わか、尾久綾香、荻原ゆり愛、須藤悠季、鎌田彩夏、下司有紗、坂本静音、清野聡、松本実久、屋良菜摘、末永康子)、Wish制作:伊藤良樹
撮影監督:出水田和人
撮影:T2studio、佐々木景子
音響効果:八十正太
サウンドミキサー:山本和利
声の出演:本泉莉奈
主題歌:赤のキヲク(作詞:edda、押山清高、編曲:中島ノブユキ、歌:edda
演奏:(ピアノ)中島ノブユキ、(ギター)外園一馬、(オーボエ)庄司さとし
レコーディングエンジニア:飯村大貴
ミックスエンジニア:奥田泰次
音楽プロデューサー:佐々木史朗
音楽制作協力:山田聡美(ホリプロ)
PV制作:廣瀬清志
企画・監修:箭内道彦
福島県総合情報誌「ふくしままっぷ」デザイン:寄藤文平
企画制作:齋藤宏行
プロデューサー:井上淳、春日大輝
プロダクションマネージャー:寺師寛明
Special Thanks:古手川昌樹、前田光晶、加藤真之
アニメーションプロデューサー:永野優希
アニメーション制作:スタジオドリアン
制作・著作:福島県
お問い合わせ:ふくしままっぷ友の会事務局(mail:info@fukushimamap.jp)
【押山清高 プロフィール】
1982年、福島県生まれ。2004年より株式会社ジーベックでアニメーターとしての活動を開始し、2006年には 『電脳コイル』で作画監督を務める。その後、さまざまな作品やアニメ制作スタジオで、監督・脚本・デザイ ナーなど幅広い役割を担う。2017年、アニメーション制作会社スタジオドリアンを設立し、短編『SHISHIGARI』を制作。2024年、監督・脚本・キャラクターデザイン・作画監督・原画を務めた劇場アニメ『ルックバック』を発表。同作は第48回日本アカデミー賞、第49回報知映画賞、第16回TAMA映画賞をはじめ、多くの賞を 受賞した。
<主な参加作品>
『電脳コイル』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』『借りぐらしのアリエッティ』『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』『風立ちぬ』『スペース☆ダンディ シーズン2』『フリップフラッパーズ』『DEVILMAN crybaby』『SHISHIGARI』『ドラえもん のび太の新恐竜』『チェンソーマン』『君たちはどう生きるか』など
【edda プロフィール】
福岡県出身。2017年より活動を開始。
同年10月にタツノコプロ55周年記念作品『Infini-T Force』のエンディングテーマ「チクタク」でメジャーデビュー。その後はTVアニメ『Infini-TForce』、『魔法使いの嫁 SEASON2』やドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系)、『探偵が早すぎる』(読売テレビ・日本テレビ系)などの主題歌を手掛ける。ファンタジーをテーマに作詞、作曲、立体造形で独自の世界観を表現している。
【中島ノブユキ プロフィール】
作曲家/ピアニスト
NHK大河ドラマ『八重の桜』、映画『人間失格』『悼む人』、アニメ『たまゆら』などの音楽を担当。音楽監督としてジェーン・バーキンのワールドツアーに参加(約180公演)。近年はフランスと日本を行き来しながら『8K オルセー美術館』(NHK)、ドラマ『風の向こうへ駆け抜けろ』(NHK)他、広告音楽の分野でも『STRAIGHT PATH』『白無垢』(共に東レ)等企業ショートムービーの音楽も手がける。ソロアルバムとして『エテパルマ』『メランコリア』『散りゆく花』等を発表。





























